ゲーム三昧の日々の結果

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

俺が中学に入学したての頃、両親がともに出張で二週間いなくなるってことになった。
俺以外(姉と弟)は婆ちゃんの家に行くことにしたんだけど、ゲームとかやりたかったから自分ちのでかいテレビですやりたい放題したかったわけ。
どうせ徒歩10分くらいっていうすぐ近くにばあちゃん家があったしな。

こう話してると、「ああ、どうせ一人ぼっちの夜に錯覚で怖いものでも見たんだな」って思うだろうけど、そうじゃなかった。
一人ぼっちの寂しさはもちろんあったけど、ゲームもすき放題できるし、なにより勉強しろとか小言がないのがすごい嬉しくてさ・・・もう半狂乱でゲームに没頭したね。
休みの日なんてそれこそ起きたら寝るまでゲーム。

飯だけはばあちゃん家に行って食ったら速攻帰ってまたゲームw
そんな感じで最初の3,4日間くらいを過ごしてたんだけど、そのうちばあちゃん家に行くのも惜しいほどにゲームに没頭してさ。
当時流行ってたドラゴンクエスト3・・・クリアももう少しだったし、何よりクラスメートのやつが勇者以外の全魔法覚えさせたキャラとか作ってて、「俺も負けてらんねぇ!全魔法覚えてレベル99にするんだ!」って意気込んで、飯もろくに食わず学校以外の時間はほぼゲームに費やした。

みかねたばあちゃんが飯持ってきてくれたりしてたけど、それすらあまり手をつけずに没頭したね。
ばあちゃん腰が悪かったし次の日からは姉に飯届けさせてた。
姉からも「なんでうちがこんなことせんといけんの。あんたいい加減にしなさいよ」って怒られた・・・。まぁ聞く耳持たなかったけどなw

そうしてるうちに2週間経って母親が帰ってきた。
母親が帰ってきてから俺の状況を姉にでも聞いたのか、さんざん怒られた・・・。

最後の数日間は飯届けてもらってたのに、それにすら手をほとんどつけなかったせいで、俺はただでさえ貧相な体がさらに貧相になってた。
もう骨と皮しかないんじゃないかってくらい・・・。

俺もさすがにこれじゃやばいと思って母親も帰ってきたし飯をちゃんと食おうと反省した。
が、時既に時間切れ。
ゲーム絶食のおかげで俺の体重がマッハ。
食欲も出なくて下痢になるし風邪にもなるしですごい衰弱してしまった。

一度病院に行って点滴打ってもらってある程度回復したんだが、そのころから横っ腹が異様に痛むようになった。
親に叱られていろいろ萎えてたっていうか、子供心でまた怒られそうだからと思い言うのが怖くて最初のうちは我慢してた。

しかし、あまりの激痛で我慢の限界に達して親に言った。
「横腹が痛い・・・」つって腹見せたらやたらとぶつぶつができてんの。
親はそのぶつぶつがなんだかわからなかったが、とりあえず皮膚科に行こうってことになった。

んで病院に行って診てもらった。
そこの医者はなんかやぶ医者っぽい爺さんなんだが、ぶつぶつ見せた瞬間、すごい剣幕で怒られた!
俺がというよりも親が怒られてた。

医者:「おまえさなんでこんななるまでほうっとった!こりゃ胴巻きっちゅーてな。昔はこれが体一回りしたら死ぬって言われてたんぞ!ここまできとったらえらい激痛やぞ!」

一回りしたら死ぬって聞いてすごい怖くなったね。
胴巻きってのは方言らしく正式名称は「帯状疱疹」だとか。
普通は老人がかかるような病気で、実際には死ぬってのは嘘だけど、大昔には体力や免疫が低下してる人は一周することもあったらしく、どうやらこの病気のせいではなく衰弱で死ぬ人がいたっていう話らしい。

その日から治療薬出されて通院生活。
ぶつぶつはすぐに消えた。
これはよかった。
だが問題は激痛が治らないこと。
薬を飲み続けてもおさまる気配がない・・・。

その医者によれば皮膚はすぐに治るが、この病気の問題は体内の細胞が侵されること。
俺の場合は発生してから治療までの時間が長すぎたらしく、2,3ヶ月は痛みが消えない可能性もあると言われた。

それからはひたすら激痛に耐える毎日。
学校もろくに行けなかった。
最初のうちは夜なかなか寝れず、寝れたとしても夢で大蛇に胴を締め付けられたりとか、胴を輪切りにされたりする悪夢を見た・・・。

1週間ちょっとして痛みも少しずつ治まって2ヵ月後には完治してた。

それ以来俺はテレビゲームをほとんどしないようになった。
みんなも遊びはほどほどにな!
体調管理はしっかりと。

最近生活習慣乱れてて体のどこかが痛みだし、湿疹が出ていたらよう注意だぞ!

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