発見者になるのも怖い

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

売れないバンドマンの友達がいる。(仮にKとする)

そいつ金も無いのに「機材置くから」って広めの借家に一人暮らししてる。
だから良く携帯止めるし、家賃・ガス・水道も止めてるらしい。
だいたいどれも三ヶ月くらいは待ってくれるんだけど、いよいよ金無くてヤバイって時には居候(いそうろう)を調達してくる。

調達方法は色々で、バンド関係とか仕事関係とか出会い系・・・などなど。
この居候が男だと金が無くなればふらっといなくなるらしいけど、女だと半年~とか居つくらしい。

そんなKの家に遊びに行くことになった。
その日は居候Sが外出中とのことでで簡単な酒とつまみを持ってK宅へ。
勝手知ったる家に「ちわーっす」と入っていくと、知らない女の子がいた。(居候S以外の女で年は16~17くらいだったと思う。容姿は並み。以下:M)

「Mがさっき突然来てさー」というKが「気にせず二人で飲もう」と言ったけど、かわいそうなので酒を追加して一緒に飲む事にした。

酒もいい感じに入った頃にはKと自分の近状も語り飽きて、酒の肴はMへ・・・。
説教かますつもりは無かったが、学校や親のことでKが捕まらないか心配もあったので、その辺を探ると親の都合で進学もせずに働けと言われてK宅に流れ着いたらしい。
そしてやたら「貧乏だから」と連発するMに何のバイトしてるの?と聞いたんだ。
Mはくったくもなく「ウリだよ」と教えてくれた。

正直ちょっと引きつつも「もっと自分を大事にしないと」みたいな事を言ったらなぜか値段の話になった。

だいたい1.5~2.5らしい・・・。

内心「どんだけ安いんだよ」と思いつつ聞いていると、Mは世間知らずなせいか客に逃げられた事があって、それ以来Kが値段交渉しているらしい。
もっと言うと、出会い系等でネカマやって客引きと交渉しているとのこと。
色々と引く話もあったが、Mとメアドを交換してその日は終わった。

ある日Kに「これから飲みに行かないか?」とメールをしたら「Mが補導されて渋谷に迎えに行くから無理」と断られた。
話を聞くと、Mは客からエイズを移されたみたいで無茶苦茶してるみたいだった。

それから自分の身辺が忙しくなったりしてKとは一ヶ月くらいしてから会った。
浮かない顔のKに「Mは元気にしてるの?」と聞いたら「アイツ消えた・・・てか消されたみたい」ってさらっと答えられた。

Mは一人で渋谷周辺でウリの相手を探したりしていて、893者にあたったらしい。
だからエイズがバレて沈められたかなんかじゃないか?って言ってた。

一人で寝るのが怖いというのでその日はKの家に泊まる事にしたんだが、夜中に目が覚めた。
元をたどるとKがすすり泣いている?
しょうがないので涙をふいてやり寝ようと思ったけど、すすり泣く声は違う方向から聞こえる・・・。

Mだな・・・と思ったけど、次の日は何も無かったようにK宅を後にした。

それ以来Kとは連絡が取れなくなった。
最初の三ヶ月は携帯を止められただけだと思っていたけど早半年を越えた。
確かめたい気持ちはあるが、発見者になるのも怖い。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!