そのまま埋め立てたビル

カテゴリー「怨念・呪い」

10年前ですが、当時、盛岡の街中の建設会社に勤めていた時の事です。

会社は6階建ての事務所ビルの5階にあって、エレベーターが二基有るんですが、夜10時以降は1階に降りてしまって、使えなくなるので夜の出入りは非常階段を使っていました。
また、非常階段からビル内に入るのには専用のカードキーと暗証番号が必要で、会社でも決った人間しか夜間は出入り出来ないようになっていたんです。

その日も何時もの様に日中は現場廻りをして夜に図面牽きや積算何かの事務処理をやっていました。
すると、深夜2時頃に、事務所の入口ドアのレバーが「カチャリ」と動く音がして少し開いたんです。

最初は誰か社員が帰って来たのかな~?と思ったんですが、暫くしても誰も入って来ない・・・。
数秒間、間が空いて、自分が「お疲れ様~」とドア側に声を掛けたら、今度はドアが「パタン」と閉まったんです。

????と不思議に思い、事務所の外のエレベーターフロアまで出てみたんですが、誰もいない・・・。
ドアが閉まってからものの数秒後で、非常階段の出口から出たとしてもセキュリティのアラームが数秒は鳴っているハズなのに、真っ暗なフロアはシ~ンと静まり返っていました。

急に背筋に何か冷たい物を感じたので、その日は仕事も途中にして急いで帰宅。
翌日、会社の人達に昨夜の事を話したら、最古参の男性社員が一言「関係あるかどうか解らないけど、そう言えば、隣のビルって井戸をそのまま埋め立てたらしくて、オーナーが変死するんだよな~、つい最近のオーナーも、ほらっ、この前○○で猟銃自殺した人だよ」と。

おいおい、と思いつつ、何時も通りの仕事に戻ったんですが、結局、ドアが開いたのは一度切りで、何故ドアが開いたかとかは分からず、他の社員で同じ様な経験する人も居なかったのでそのまま分からず終いでした。

ただ、その後も三回程、仕事が終わって非常階段を降りていると下から警備の人が「たった今、人が上がって来ませんでしたか?」と下から上がってくるのに鉢合わせになった事は有りましたが・・・・・。

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