異様に大きくて二メートル近く

カテゴリー「怨念・呪い」

先月一人で桜を見に行ってきた時、変なものに出会った。
桜を眺めていると、後ろから犬の鳴き声がした。
振り向くと、二足歩行でこちらへ近づいてくる、もじゃもじゃした茶色い犬みたいのがいた。
異様に大きくて二メートル近くある・・・。

一瞬熊かとも思ったけど顔つきはやっぱり犬で、体つきは妙に人間っぽかった。
無我夢中で逃げ出した。
振り返ると犬はいなかった。

そのあと会った友人に、犬を触っただろう?と言われた。
この人は動物がすごく苦手で、他人が自分と会う前に動物と接してきたかわかるという、謎の特技というか勘の鋭さを持っている。
俺は変な犬のことを話したけど、「それチューバッカじゃね」とか適当なこと言われて信じてもらえなかった。
確かに似てたけど。
※【チューバッカ】映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空の人物である。

その晩、友人は俺の部屋に泊まった。
友人はベッドに寝て、俺は寝袋(ベッド以外に寝具がない)の中でゲームしていた。
すると、夜中にどこかで犬が吠える声が聞こえてきた。

気にせずゲームを続けていると、犬の声はどんどんうるさくなってくる。
「飼い主ちゃんとしつけろよ!」とか思ってイライラしてたら、鳴き声が聞こえてくる方向というか、場所が有り得ないことに気が付いてゾッとした。

鳴き声はベッドの下から聞こえていた・・・。

しかもどんどんどんどんはっきりと聞こえてくる。
友人も鳴き声のうるささに目を覚ました。

俺は怖くて仕方ないから「一旦外に出よう」と言うも、友人は「逃げてたまるか!」と拒否した。

友人がベッドの下を覗き込んで「うるさい!」と叱りつけると、ベッドが大きくガタッと揺れた。
俺は恐怖のあまり死ぬかと思ったが、それで鳴き声は止んだ。

その後、何事もなく無事に夜が明けたけど、起き抜けに友人が鼻血を出して体調を崩した。
以来、治っていたと思っていた喘息になったり、貧血になったりでいつ会ってもぐったりしている。
俺の方はというと全くなんともない。

もしかして友人を身代わりにしてしまったんじゃないかって後ろめたい気分。
お祓いとか行ったらどうにかなるのかな・・・。

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