WinMXって知ってる?
簡単にいうとファイル共用ソフト。
他人とファイル交換したりするものなんだ。
そのMXにはチャット機能があるんだ。
部屋もたくさん立っている。
俺はMXのチャットが好きというか、日課で毎日やっていた。
ある日俺は、”思い出を語る部屋”っていうとこに入ったんだ。
そこには20人ぐらい人がいた。
でもチャットは盛り上がってなくて俺は「こん」だけ言って反応を見てみた。
そうしたら一人だけ返事が来た。
その人も暇だったみたいで話かけてきた。
「思い出っていいよねー」
とか言いながら思い出について語ってた。
いくらかたったときにそいつのファイル見てみようと思って見てみた。
あったのは「思い出1~20」というファイルと、「終」という画像だけが共有してあった。
俺はネタ画像だと思い、そいつに交換申し込んだ。
そうして落として画像を開いてみた。
その画像は1人の人間の写真だった。
赤ちゃんからだんだん成長していく姿の画像だった。
1~15までは1人の成長。(多分成人より少し↑までだったように覚えてる)
15~18は恋人らしき人との幸せそうなツーショットだった。
ここまで見てて俺は「幸せそうなネタ画像だなwww」とか思いながら和んでた。
しかし、19はまったく違う写真だった。
さっきの恋人らしき人の仏壇?が写っていた。
俺は本当にネタかよと思いつつ20番目を開いた。
向かってくる電車(たぶん山手線)を右斜め前から見た写真だった。
俺はやべぇ・・・やべぇよと思いつつ、「終」という画像を開いた。
そこには通常ではありえない角度から、男が電車に轢かれる写真があった。
何がありえないかっていうと・・男がこっち見ながらカメラ目線で叫んでる。(すぐ閉じたからわからんが内臓とかでてた)
俺は震えが止まらないほど恐怖した。
そして画像を全部閉じて、震えた手でマウスを動かし画像を消した。
チャットで何の画像か聞こうと思いチャット画面にしたらこう書かれていた。
「おまえだけ幸せになるなんて不公平だ。俺たちと同じ目に合わせてやる」
これがさっきの画像交換した人と、それ以外の人(20人ぐらい)も含めた全員が書き込んでいた・・・まったく同じ文章を。
そして俺はあることに気づいた。
全員のファイル数が21だ。
こう考えてるうちもさっきの書き込みが永遠に続いている。
俺は部屋を出てMXを切った。
だが震えと悪寒を感じて椅子から倒れ落ちた。
そのあとのことは覚えていない。
家族によると失神して尿を垂れ流していたそうだ。
んで、目が覚めたら病院のベッドにいた。
退院して再びMXを起動して、同じ部屋を探してみたがもうなかった。
それからしばらくして俺の恋人が交通事故で死んだ。
でも俺はあいつらみたいに人生を捨ててない。
今のところ。
俺が思うに拡大したネットワークがこの世ではないところにも繋がってしまったんだと思う。
なんか馬鹿みたいだが俺はそう信じてる。