じゃあうちのママあげる

カテゴリー「怨念・呪い」

平安時代、その目を見たものを魅了する美しい鬼姫がいた。
鬼姫の妖しの目にお願いされるとどんな無茶な願いであっても断れない。
鬼姫はその力をつかってやりたい放題だった。
若い娘を火の中に飛び込ませ悶え死ぬ様を楽しんだり男衆を互いに殺し合わせてその血を肴に酒を飲んだりしていた。

ある時、通りかかった高僧は自分の目と引き換えに鬼姫の目を二股の槍で突いて殺した。
村の衆は安心したが、高僧は「封印するのがやっとだった。必ず鬼姫は復活する」とその地に留まる事にした。

そして現代。

女子高生である主人公は父親と祖母と年の離れた幼稚園児の妹との4人暮らし。
妹はとても可愛らしく、近所でも評判だった。
主人公も可愛い妹が大好きだった。

可愛らしいしぐさでお願い事をされると何でもかなえてやりたくなる。
父も祖母も同じだった。

そのせいか妹はかなりのワガママになっていた。

ある日、妹が幼稚園の砂場でお城を作って遊んでいると、男の子がお城を壊してしまった。
謝る男の子に対して妹は「健太くんなんてきらい。しんじゃえ!!」と言い放つ。

しばらく後で保母が園児を集めていると健太君がいない。
慌てて探すと、滑り台のところに何か揺れている。

それは首を吊った健太君だった。

妹を迎えに行った主人公は園児が首を吊った事を聞かされる。
さらに、妹の友達の園児が母親に向かって「あの子が健太君しんじゃえって言ったら本当に死んじゃったんだよ!!」と言っているのを聞く。

妹は母親と二人で帰る友人たちを見ながら主人公に何故家には母親がいないのか尋ねる。
母は妹を産んだときに死んでしまったのだが、そんな事言えるわけが無い。
だがあまりにしつこく母親を欲しがる妹に対し「家にはおばあちゃんがいるからお母さんはいらないでしょ」と言う。

次の日、妹は祖母に向かって「おばあちゃん、死んで。おばあちゃんが死ねばお母さんがきてくれるんだ。」と無邪気に言い放つ。

・・・主人公が学校から帰ってくると、祖母は包丁で頚動脈を切り笑顔で死んでいた。

悲しみにくれる主人公に対し「おかあさんはいつ来るの?」と嬉しそうに尋ねる妹。
流石に主人公は妹が恐ろしくなってきていた。

祖母のお通夜の間、退屈していた妹は幼稚園の友人と遊んでいた。

妹:「おばあちゃんが死ねば、おかあさんがくるって言ったのに」

・・・と言う妹に対し、友人は「じゃあうちのママあげる!!ママうるさいんだもん。」と言い、妹は喜んで指切りをする。

妹:「指きりゲンマン嘘ついたらハリセンボン飲ます、指切った♪」

その様子を見て主人公は胸騒ぎを覚える。
やがてその子の母がやってきて、その子と一緒に帰ろうとする。

妹の友人:「ママ、あの子の家のお母さんになってあげてよ。」

・・・と必死でたのむ子供の言葉を受け流す母親。
その日の夜、その子は針を大量に飲み込み肺も食道もボロボロで救急車で運ばれた。

妹は化け物なんじゃないかと思い始めていた主人公。
ある日、妹と散歩中に盲目のホームレスが妹の目を二股の枝で突こうとしているのを見てホームレスを突き飛ばす。

ホームレスは「その娘は化け物だ。封印するには目を潰すしかない!!」となおも突こうとしてくる。
まぶたを切った妹は「おまえなんかしんじゃえ!!」と叫ぶ。

・・・ホームレスは急に突っ込んできたトラックに轢かれて動かなくなった。
主人公は疑いつつもどこかで引っ掛かりを覚えていた。

家に帰り、宝物の母親の写真を見ると酷い落書きがしてあった。
カッとなった主人公は妹を怒る。

妹は「すぐに怒るお姉ちゃんなんて嫌い。しんじゃえ!!」と言い放つ。

主人公は体の自由が利かなくなり、フラフラと外に出て、妹は笑いながら後をついていく。
気づくと鬼姫が封印された崖の上の社まで来ていた。

妹:「早く死んでよ、お姉ちゃん。」

そう笑いながら言う妹。

主人公はポケットの中にこっそりと持っていたあの二股の枝を取り出し妹を刺そうとする。

しかし、やはり可愛い妹の目を潰す事などできず、体の自由もいよいよ効かなくなってきて、主人公は妹を抱きかかえ、騒ぐ妹と一緒に崖から海へ飛び降りた。

そして・・・ある漁村で二人の女の子の死体が打ち上げられた。

恐る恐る近づく野次馬。

野次馬:「あっ、一人は動いてる!!一人は生きてるぞー!!」

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