人形にまつわる怖い話。
祖父母の親しい人が亡くなって、その遺品をもらえることになった。
親族の人達はソファとかテレビとか持っていったらしいが、祖母は何故かフランス人形と、その着せ替え用の服とかリボンとかを持って帰ってきた。
で、持って帰ってきて何日かたったある夜中、応接間の戸が開いてたんだ。
そこにはいつもは8時には寝ている祖母がいて、人形の服を着せ替えたり髪を梳かしたりしながら何かぶつぶつ話しかけてた。
しかも会話してるみたいに、時々笑ったりするし、何より真っ暗な中でやってたからとにかく怖くて、その時は見なかったことにしたんだ。
・・・まぁ、若干ボケ始めてたからさ、そのせいかとも思ったんだよ。
でも異様にその人形に執着するのが妙だったからさ、祖父に相談したんだよ。
そしたら、あの人形は亡くなったおばあさんが生前どこかから拾ってきた物らしく、「私の娘だよ」って祖父母が会いに行った時紹介してきたんだって。
それから会いに行く度に祖父は、その人形と人形を生きてるかのように扱うおばあさんが段々気味悪くなってきたらしくて、会いに行くのを控えようかと考えていた矢先に亡くなったんだって。
で、俺がその人形を人形寺に持っていこうとすると、祖母がホント基地外みたいになって手に負えなくなるんだよね。
これは祖母のボケのせいなのか、それともあの人形が原因なのか。