夏の風物詩の一つ、風鈴。
風鈴は冷暖房機器が無い時代の気休めでしかない。
そう思っている人も多いだろうが、本当に体温が下がり涼しくなる。
ただしこれは、風鈴を知っている日本人だけで起こる現象。
20代~60代の人を対象に行った実験。
室温27度に設定した部屋に入ってもらい、体感温度を聞く。
24度~26度という回答が多かった。
しばらくして風鈴の音を鳴らし、10分ほど経過してから、「先ほど部屋の温度を下げました。何度くらいに感じますか?」と質問。
21度~23度という回答が多かった。
サーモグラフィで体表面の温度の変化を見てみると、風鈴の音を聞き始めた途端に体温が下がっていた。
しかし実は、部屋の温度は27度のままで変えていなかった。
人の脳は、思い込みによる錯覚に弱い。
風鈴は風があるときに鳴るものと知っている日本人の脳は、「風が吹いている」=「涼しくなった」と錯覚し、本当に涼しくなったときと同じように体温まで下げてしまう。
風鈴を知らない外国人は、涼しくなったと錯覚しないため体温が下がることはない。
日本人であっても、風鈴になじみの少ない若い世代も同様に涼しくなったと感じたり、体温が下がることはない。