最後までやりなよ

カテゴリー「怨念・呪い」

通っていた大学の、私の学部の校舎はとても古くて、山に接していたせいか害虫が良く出た。

ある日そこの廊下にムカデが居るのを見つけた。
長さ15センチくらいでカーキ色、太さは指くらいあった。

ノリウムの床はツルツルでうまく歩けなかったのか全然前進せず、クネクネと高速でのたくっているのが、見た目とあいまって気持ち悪かった。
ムカデをはじめて見た私はものめずらしく、携帯でそいつをムービーに撮ったりしていた。
すると男の同級生が通りがかってそれを見つけて、キンチョールを持ち出してきて吹きかけた。

蚊取り用のやつってゴキブリとかの大きな虫にはあまり効かなかったりしますよね?
それもそうだったらしく、苦しんで一層激しくのたくるムカデ・・・。

そこで思い出したんだけど、「殺虫剤を害虫にかけて、生きたまま取り逃がすと耐性のある卵産む」って聞いたことがあったので、「最後までやりなよ」って言ったけど同級生は怖気づいててトドメをさそうとしなかった。
だから私がその辺にあった古新聞を上からかぶせて踏み潰した。
ブーツでバァーンって!
古新聞越しに汁がジワッと染み出ていた。

それから数日後・・・。。
朝目が覚めると、手の甲が何かチクチクする、しかもジワジワ動く
「うわ!!!?」と思って飛び起き凝視すると、あの時殺したムカデと全く同じ大きさで全く同じ種類のムカデが、手の甲にとぐろを巻いてへばりついていた。

パニクって手をブンブン振ると部屋の隅に吹っ飛んでいったので、クローゼットとか机の下にもぐられる前に追いかけて、手元にあった本かなんかで叩いた。
ぐったりなって丸まったのを見て安堵しながら、「ムカデはつがいで生活する、一匹コロしたら片割れが仕返しに来る。山には、長年毎日まぐわって、下の部分がつながって、頭が二つ有る様になってるムカデがいる」という婆ちゃんの話を思い出していた。

そのムカデをコンビニ袋に入れて恐る恐る持ち、階下に降りていって婆ちゃんに見せ話をすると、「ほらぁねぇ」といわれた。

ムカデの歩く速度を時速?キロとすると、大学から夜通し歩いて四日かかる、んだろうか?
もしあり得るならなんとなく、仇討ちに来たのは嫁のほうだと思う。

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