四国に伝わる犬神憑き

カテゴリー「怨念・呪い」

みなさん犬神憑きというものを知っているだろうか?
犬神憑きとは四国などで今なお深く根付いている呪法の一つである。
その発祥は平安時代以前とも言われている。

犬神憑きとは、飢餓状態の犬の首を打ちおとし、さらにそれを甕などにいれて土に埋め、その上を往来することで怨念の増した霊を呪物として使役できるというものだ。

犬神を使役すれば願いが叶うだけでなく、その呪いで他人を呪い殺すことができる。
またこの呪いは呪った相手が死ぬとその子や家族に憑く、そしてその家族が死ぬとその子供に憑くというとても厄介な代物だ。
その呪いの恐ろしさからこの呪法を禁じた時代もあった。
そして、この霊をうまく使役できなかった場合、逆に呪い殺される可能性もある。

これは私が大学時代に友人が語って聞かせてくれた話。

昔、明治時代の話になるが、ある四国の女が学徒として上京してきていたそうだ。
その時代に女性で学生になれるくらいだから家は裕福だったのだろう。
そこで一人の男を好きになったそうだ。
その男も学生で歳は三つ上、端正な顔立ちがとても好印象だった。

もちろん田舎から出て来たばかりの何も知らない女はその男もにひと目惚れをした。
しかし、その男には好きな女がいた。
その女は美しく優秀で家も裕福だった。
はじめはその男を諦めようとした。

だが、諦められなかった。

あの女がいなくなればいい、そう思った。
女はどうやればあの女を消せるのだろうかと考えた。
そこで思い至ったのが「犬神憑き」の呪いだった。
その女は犬神憑きの呪いを調べ上げ...犬神憑きの儀式を実行した。

そして、成功した。
憎かったあの女はその儀式の後から3日と立たずに死んでしまった。
それから傷心の男にうまく漬け込み結婚をした。

すべてがうまくいったようにみえた。
しかし、呪いをかけた女も若くして亡くなってしまった。
それからというもの、その血族は皆短命になってしまったんだ。

友人はそこまで語ってコーヒーをぐいっと一口飲んでこう続けた。

「それが実は僕の家系らしいんだ。」

あれから十数年たってその友人は30半ばで肝臓を悪くして死んでしまった。
犬神憑きの呪いかどうかはわからないが学生時代に語ってくれた話が気になった。

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