呪いの石の恐怖

カテゴリー「怨念・呪い」

山か石スレか迷ったけどこっちに書くわ。
5年くらい前の話。

親友とも言える友人は山登りが趣味で、よく山に登っては頂上付近の写真と頂上付近の石をお土産にくれる。
なるべく綺麗なものを探してるという友人の言葉通りとても綺麗で、インテリアにも最適だった。
自分はその石を棚に並べて、「コンプリートガチャ石編」とかやっていた。

そんな石土産もダブリや山なのか?っていうような標高のものも増えてきたころ、友人が珍しく2個の石をくれた。
真っ黒い石と白っぽい石だった。
友人が言うには普通の石だそうだが、なーんか霊感0の俺にもちょっと家に置くのはキツくね?っていう感じになってた。
見た目は綺麗な丸石だけど。
友人にはサンキューと伝えて受け取り、コレクションのとこに突っ込んでおいた。
その後、ラップ音がするでもなく何がくるわけでもなく1年くらい経った。
友人ともたまに飲みに行くような良好な関係だったし、石のことも半ば忘れていた。

そんなある日、大学時代の友人を久々に家に迎えると、入った瞬間「おい・・・.お前なにやってんの」なんて突っ込まれた。

「無修正のあれならもうやめたぞw」
「いやそんなもんじゃないよ。呪いとか興味あったのお前?やめろよな・・・」なんて軽蔑の目で見てきた。

俺はわけもわからずに、本当にわからないということを訴えると、半信半疑ではあるが信じてくれて、「んじゃあちょっとそれ見せてくれない?」と、俺の石コレクションを指差してきた。
もちろん断る理由もなく友人に見せたら、「うっわー」なんて声を出して俺に突き返してきた。
親友の石をうわーなんて言われたのにちょっとムカついて、「さっきからなんだよ!ちゃんと説明しろや!これは◯◯が山に登って拾ってきた石だよ!なんか悪いことでもあんのかよ」と大学の友人に言ったところ、真剣な顔で「それどこの山?もしかして△山?」

「えーっと・・・いや、かなり前から色んな山で拾ってきてるからわからんけど・・・」と言ったところで、俺は△山に聞き覚えがあった。
元々地元の山ではあるのだが。

「そういえば・・・この石とこの石が、多分△山で拾ったって言ってた気がする」
「あぁ・・・やっぱりそうか」黒い石と白っぽい石を指すとそう言った。

「なに?これがなんか悪いの?確かにいい感じはしないけどさ」
「これ盗品だよ、拾いもんじゃない絶対に」
「は?何でそんなことわかるんだよ」
「俺の出身学部は?そして俺の親父の職業は?」この友人は仏教学部。

こいつ自体は葬式関係の職業だが、親父さんはお坊さん。
それをハッっと思い出した。
大学の友人が言うには、別に専門でもないし扱ってもいないが、実習とかでお寺にいくとそういうものを見かける機会はあるし、親父さんから見せてもらったこともあるが、こういうのは絶対に落ちているようなものじゃない。

多分山のお寺や祠などにあったものだろう、と言った。
俺は親友が窃盗をしたなど信じたくはなく、何かの間違いだと反論していたが、
「お前今仕事ないよな?(無職ではなく、仕事が全くない月がある)ちょっと今からうちの実家こいよ」と言われて、親友のの汚名を晴らすべく石を持参していくことにした。

友人の家自体は普通の一軒家で、何回かいったこともあり、近くの駐車場に車を停めて友人と共にいくと、何故か大学の友人親が家の外にいた。
どうやら大学の友人が先に電話していたようだった。

「お久しぶりです」
「久しぶりだねー夕飯でも食って行きなさいっていうところだけど、それ話の通りまずいねー」なんて石を取り出す前に言われてビックリした。

「石のことですか?」
「うん。正確には、一個もうほとんど石じゃないけどね。怖いわーこんなんひさびさにみたわー」親父さん軽く笑いながら言っていたが、俺は親友の汚名を晴らすべく親父さんと話そうとしたが、「うーん、これ自宅に入れたくないな・・・。しょうがない、職場に行こうか」
「お寺ですか?いいんでしょうか?」
「うんーあんまり行きたくないけどねーww」不良坊主とはこういう人か・・・と再認識お寺につくと本堂ではなく集会場の方へ連れていかれ、そこでお茶を飲みながら話をしてくれた。

「本堂ではないんですか?」
「こんなもん入れたら上の人に激怒されるよw」
「こんなもんって・・・ただの石では?」
「うん、石だね。でもこれは、石っていう区分にするにはちょっともう力が強すぎるんだ」
「力?パワーストーンとかいうあれですか?」
「うんそうだよ。石っていうのは少なからず力を持っているんだ。もちろんコンクリートとかじゃなく自然石ねw」
「もちろんです」
「それに、山っていうのは力を集めやすいんだ。山信仰ってのは昔からあるように、山っていうだけで信仰対象になる。信仰の対象になるってことは、力が集まる。何となくはわかるだろ?」
「正直なんとなくとしか・・・」
「まぁそんなもんだよw」

親父さんは石を指差して、「だけどね、たまーに形とか場所とか色とか色んなものが重なって、異常に力が強くなるものがあるんだ。だけどそういうものは、大抵人が入りにくいとこにあったりするんだ。人が入りにくいとこには神聖性が生まれるからね」
「は・・・はぁ」
「うん、だからこそ祀られたりするんだ。でも問題は、これのように力のある石を、人為的にダメなことに使おうってのが困るんだ」
「ダメなこと?」「いわゆる呪いとか呪術ってやつだね」
「呪術ってブードゥーとかのあれですか?」
「なwんwでwブードゥーw」ゴルゴ13でブードゥーの話があったのを覚えていた。
「じゃあ、これは呪いのものなんですか?」「そそ、多分結構殺してるね」いきなり話が物騒になった。

「殺しですか?」「詳しく言うと、殺しの手伝いだけどね。かなり古いものだし・・・うん、まあ、うちで預からせてもらおう」
「あ・・・はいありがとうございます」そこで親父さんの顔が真剣になり、「で、この石をくれた人って今ご存命?」と聞いてきた。

もちろん存命だし連絡も取れると言うと、「近いうちにここにきてもらえるかな?近いうちというか、もう明日でもいいから、なるべく早い方がいいな」
「何ででしょうか?」
「早くしないとその人まずいかもよ?」は?まずい?
「命がってことでしょうか?」
「うーん、命がってわけではないが、色々良くないからさ。明日ってのは言い過ぎだけど、早めにね?んじゃー」とりあえず親父さんに礼を言い、その場は終わった。

その後仕事場で事故があったりして、親友に連絡したのは1週間ほど経った後だった。

「久しぶりー生きてる?」
「元気だぜ、飯の誘いか?」
「いやちょっと話があってさ。お前だいぶ前に俺にくれた△山の石っておぼえてる?」
「いや知らんよ」
「え?でもお前がくれたのだぞ」
「しらねえってしつこいぞ。飯にいかねえなら明日仕事だし切るぞ」
「ちょっまって」

切られた。
本当に意味がわからんかった。
しかし、あいつが何か知ってることは確実と思いながらも、連絡手段は電話しかないしどうしようもなかった。
その後俺が聞いた友人の続報は、葬式の案内だった。
山の事故で死んだと聞かされた。
葬式は昔からの友人が集まり粛々と進められた。
その後飲み屋で、同窓会ではないが仲のいい奴らで飲んでいたところ、友人の一人が妙なことを言い始めた。

「しかしなぁ・・・お前よく葬式にきたな」
「え?なんで?無職じゃないぜw俺」
「いやお前、あいつに相当嫌われてたぜ?散々あいつからお前の悪口聞かされうんざりしてたんだよ」
他のやつも、「お前もか俺もだいぶ聞かされたよ・・・」俺も俺もなんて、その場にいた5人くらいが俺への悪口を聞かされていたようだった。

寝耳に水であり本当のこととは信じられなかったが、俺への相当きつい罵詈雑言が書かれたメールを見てぞっとした。
どうやら真相は、親友は山で拾ってきた石に恨みを込めて俺にくれていたようだった。
メールにそんなことが書いてあり判明。
恨まれていたなど全く思っていなかったし、恨まれる要素も思いつかない。
それよりも、そこまで恨まれていたのに飲みに行ったり、結婚してーなんて愚痴りあってた裏でそんなことを思われていたなんて、俺は背筋が凍り、便所に駆け込んでゲロッた。
山に行くのも、途中からは呪いの触媒を探すために行っていたようだった。
だからこそ登る甲斐も無いようなところまで遠征していたと。

その後、あの1対の石は△山のお寺に収められていたもので、その後もとにあったところに納められたそうです。
俺は今でも山には登れません。

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