呪いの話を友人にした結果

カテゴリー「怨念・呪い」

小学校三年生頃だったかな。

当時「呪いの話」が流行ってた。
この話を聞くと夜夢に危険なモノが現れて、適切な対処ができないと死んでしまうってやつ。
昼休みに体育館のステージの上で無理やり聞かされたのを覚えてる。

タイトルは「か○○さま」。

怖くてさ。
下校から家に帰ってもウツで、親に心配される程だった。

か○○さまは三日間の何れかに現れるという。
何か呪文を唱えると(詳細失念)無事にイベントは終了となる。

祖母に向かって「俺、今夜こそ死ぬかもしれない」とか本気で言ってたわ。

四日目の朝になった。
勿論何も無かった訳だ。

俺にはな。

学校で仲間に「なんか分からんけど、か○○さま来なかったよ」と言ったら、オメー信じてたのかよ!みたいな流れだった。

すっかり安心して、四日前に一緒に話を聞いたタカユキ(隣クラス)に会いに行った。

「あの話、嘘なんだってさ!困るよなー」
「だろうと思ったよー」
「俺達も誰か騙そうぜ」

狙いはイジメられているシンにした。
泣き喚くシンを押さえつけて、話を聞かせてやった。
ごめんな、シン。

次の日、シンは学校に来なかった。
シンが行方不明だと聞いたのは二日目の夕方だった。

三日目には集団で登下校するよう指示が出た。

俺とタカユキは焦った。
下校してから二人でシンを捜したが見つからなかった。

夕食を食べていると電話がかかってきて、母親が言った。
「お山の麓でシンくんの自転車が見つかったって」と。
『お山』というのは、昔城があったという標高200m位の山だ。

「お山か・・・」

お山には遊歩道が整備されているが、それ以外は濃いブッシュに包まれている。
時間は19時前だった。

我慢できなくなり、タカユキに電話した。

「今から家に行ってもいい?宿題でどうしても分からない所があって(お山行こうぜ)」

母をなんとか説得し、デカい懐中電灯を持ってチャリで飛び出した。
自宅の前でスタンバイしてたタカユキと合流し、小さなチャリでお山を目指す。

9月上旬。
半袖では夜風が冷たく感じた。
町内を離れると辺りは真っ暗闇になってしまった。

「なあ、もし、さ」

タカユキが言った。

「シンが死んでたら俺達警察に捕まるのかな。今ってそういうことだよな」

暗い森の中にぶら下がっているシンの姿を想像した。

「嫌なこと言うなよ」

リアルタイムで大人達が捜索しているものと思っていたが、お山の麓に着いた時そこには誰も居なかった。

未だにシンは見つかってない。

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