私が経験した実話です。
第三者に差し支えがあり、生死に関わった実話のため、多少の変更を加えますが、流れや出来事はそのままに書きます。
数年前、友達が奇病にかかりました。
私より10歳くらい年上なので、いいオッサンなのに心臓の奇形が見つかったのです。
心臓機能に影響がある奇形なので、普通は子供のうちにわかるはずなのに、なぜ今更?と思いました。
なぜ発見できたのか?
それは、心停止したからです。
精密検査を受けて、初めて奇形とわかったそうです。
それまでは、かなり激しいスポーツをして、運動部のコーチもしたくらいなのに、全く心臓機能に異常はなかったんです。
本当に不思議に思いました。
その友達は、時々心停止して救急車のお世話になる以外にも、たまに連絡をすると、感染症や原因不明の高熱などで入院していました。
あっけなく死ぬんじゃないか、と心配になりました。
そんな時、私が部屋でくつろいでいた時です。
なんとなく、心停止する友達の事を思い出し、奴は大丈夫なのかと思った瞬間、目の前に見たことのない女の顔が現れて、「死ねばいいのに・・・」と言ってすぐに消えました。
その顔は、普通の人間の三倍くらいの大きさで、私は、怖いとかびっくりしたとか感じる暇もなく、唖然としました。
「死ねばいいのに・・・」の女は、心停止の友達と関係があると直感しました。
また、生き霊である事もわかりました。(生き霊は生々しいので)
ですが、根拠もないし確かめようもないので、ひどい葛藤に陥りました。
そうしている間も、友達は入退院を繰り返していましたが、ある時、その友達と奥さんが不仲で別居生活になったという噂を聞きました。
ちょうどその頃、飲み会がありその友達に奥さんの事を聞いてみました。
まず、その奥さんの見た目を聞きました。
すると、ある芸能人に似ているという事で、「死ねばいいのに」と言った女もソレ系の顔。
次に、冗談っぽく、「仲が悪いならもしかして、奥さんから、死ねばいいのに・・・とか思われてたりするかもねw」と言ってみました。(笑えない冗談ですね)
すると、友達はうつむいて「それはあると思う。俺が知らない間に多額の生命保険を掛けてたからな」ということで、絶句しましたが、奥さんが介入している可能性が高くなりました。
けれど、そんな「奥さんが死ね死ねと念じているよ」などと失礼な事を言えるわけないので、私はまた葛藤していました。
どうしたかと言うと、それとなく、病は気からと言うし、お祓いしたら?とか、霊能者を勧めたりしましたが、そういう類のものを頭から否定する人なので、何もしないで入退院をしていました。
しょうがないので、バカにされましたが私が見た女について話して、それ以降は放置してしまいました。
ところが何故か気が変わった様子で、その後、修験道っぽい道場にこもったらしいですが、効果はないし、持病が余計酷くなっていきました。
友達ももちろん大変な目に合っているとは思いますが、私も怖くて最近は連絡を経っています。
そして、私の部屋に数年の時を経て、パワーアップした女がまた現れました。
以前の顔だけという現れ方ではなく、全身で・・・しかも包丁まで持っています。
その包丁、どこから持ってきたんだよ・・・って感じです。
そして、隙あらば私の腹部を刺してきます。
刺された時は痛くはないのですが、凄く嫌ですし、日常的に、刺すような腹痛に悩まされ、うずくまる程でした。
胃潰瘍かと思いましたが、受診すると感染性胃腸炎とか、ノロウイルス的なものとか、病院によって診断が違いました。
そして同時期に、何故か車の運転ができなくなりました。
意味もなく、事故に合いそうな予感がして、実際に間一髪の危険な目に何度か見舞われました。
自転車の人が突然私の運転する車の前に転倒して、ひきそうになったり、高速道路で前のトラックが急ブレーキをかけたりと・・・生きた心地が全くしません。
とうとう、恐怖のために運転中に過呼吸を起こすまでになりました。
私は精神を病んだのかと思い、心療内科を受診したところ、パニック障害と診断され、まあ妥当だな、と、投薬治療を受けました。
しかし、これで解決するほど甘くはなかったです。
その後すぐに、意味不明な珍しい病気にかかり、入院したり手術したりしました。
包丁を持った女が現れてからここまでで半年経っています。
今思えば、あの心停止の友達みたいになっていたんです。
しかし、その時はあれから数年経っていますし、何年も死ね死ねと執念を燃やして生き霊を送り続けるのは、有り得ない、だから気のせいなんだ・・・と思ってたというか、そう思いたかったのでした。
何故私に生き霊が出てくるのかわからないですし、そうこうしているうちに、わけがわからなくなってきて、何故か強烈に死にたくなってきました。
死にたくなるなんて、絶対に変だと気づき、「助けて!死にたくない!」と心の中で叫び続けていました。
すると、心の中にもう一人の私が刀を持たされ、実際は持っていないのに、刀を時々振るのです。(意味がわからないと思いますが、私も意味がわからず、説明のしようがなく・・・)
その刀事件の後から突如、好転しました。
運転が怖くない。
腹痛も消えました。
意味のわからない自殺願望も消えました。
女も現れません。
よくわからないけど、これで終わりかな、と思いましたが、まだ終わりませんでした。
一番酷い時期、つまり事故か自殺か変な病気か、どれかで死ぬかもしれない危険を感じていた時期に、霊能者の方に相談していたのです。
忙しい方ですし、刀事件の後から好転したので、辞退しようかなと思いましたが、何となくまだ終わっていないモヤモヤ感があったので、来ていただくことにしました。
そして、言われたのは、『ある芸能人に似た女の顔がある』でした。(いくらなんでもそれとは別だろうと思い込んでいたので、伝えていなかったのに)
数年前に見た友達の奥さんです。
ということは、数年間、ずっと死ね死ねと執念を燃やしていた事になります。
恐ろしい・・・。
というか、生身の人間にそこまで執念が続くのか、死に追いやる程の生き霊を飛ばす事ができるのか、という疑問があります。
普通に考えたら有り得ません。
けれどその女は普通ではなく、呪術のプロだったらしいです。
正確には先祖が呪術師だったため、その性質を受け継いでいるというか、背後に呪術師がいるというか。
そのため、普通なら考えられない攻撃を仕掛けていたそうです。
しかし、一つの疑問・・・。
何故、あまり関係ないし会ったこともない私に呪いがきたのか?
それは、どうやら私だけではなく、その女の周囲の人全て、私と同じ目に合っているらしいです。
とにかく、全ての幸せな人が気に入らないから殺してしまう・・・そんな感じです。
いい加減にしてくれ・・・と思いました。
私は全てを失ったのです。
仕事も健康も貯金も。
それでも私は守りが強いらしく、良かったとのこと。
多分、刀事件もそういう事なのかな、あれだけは、おもしろかったです。
霊能者の方は、「また1から積み上げていかなくちゃね!」と私を励まして帰られました。
これで終わりです。
現在は嘘みたいに元通り元気になり、運転も楽しくなりました。