あの花を踏んで呪われたんだろうね

カテゴリー「怨念・呪い」

40代だけど、昔俺が中距離のトラック運転手やってた時の話。

トラック運転手って言っても色々あって、決まった会社とか工場を行き来するんでなく、スポットで出た仕事を紹介してもらって単発でここからあそこ行ってって形なんで、当然殆どが知らない場所。

まあ紹介された住所を地図見ながらなんとか行くんです。

中距離なんで午後に積み込みして夜中走って朝方に現地に着いて荷下ろし。
そんな感じなんだけど、その日は神奈川から岐阜と割と近かったんで、夜中2時くらいには現地に着いてました。

中距離っても下道ばかりなんで時間ばかりかかって睡眠不足。
まあそれを分かってるんで、配車係も短い距離と長い距離を交互に入れてくれたりしてくれてました。

そんな時は朝まで寝れるのでここぞとばかりに仮眠取ろうと思ったんですが、山奥の方の工場だったんでなかなかトラックを止められる空きスペースがなかったんです。

いつもは道の駅だったりコンビニの駐車場だったり、下手すれば路駐だったりで、なんとか探すんですが、その日はずっと山道で道幅は狭いし、周りにコンビニらしき物もない。
それで結局山道のカーブの安全帯って言うか、少し膨らんでて舗装されてない場所があったんでそこに止める事にしました。

朝までぐっすりで起きてとりあえず小便がしたくなったんで、失敬してトラックの陰からする事に。
その時に気付いてしまったんですが、多分交通事故かなんかで花を飾ってある場所をトラックで思いっ切り踏み潰してたんです。

まあちょっと怖くなったんだけど、『ごめんなさい』とだけ言ってその場を離れました。

その日は何にも起きなかったんですが、翌日の夜いつものように走ってると、後ろの荷台から音が聞こえたんです。

最初荷物が崩れたかと思いトラックを止めて後ろの観音扉を開けて見てみたんですが、異常なし。
まあたまに石とかをタイヤが弾いてそれが車体に当たって音がする事もあるんで、きっとそれだろうと思いまた走り始めました。

10分も走らないうちにまた「ゴン」と言う今度ははっきりと荷台の方を叩かれたような音がしました。

なんかやべー・・・と、気付き始めたんですがどうする事も出来ず、しばらく走ってコンビニが見えた時は凄い安心感がありました。

まだ少し距離があったんですが、それ以上走る気にならずコンビニで仮眠を取る事に。
思いっ切りコンビニの近くで明かりがある場所に止めて寝ました。

しかし、ウトウトし始めた頃、また荷台から『ゴン』と言う音が・・・。

もう今度は走ってもいないし、荷物が倒れるはずもなく、確実にヤバいと思いコンビニで寝ずに立ち読みしてました。

それから一週間くらいは何も起きず安心しきっていた頃にまた壁ゴンがきました。
しかも狂ったように『ゴンゴンゴンゴン』と叩かれて怖くなり、すぐ路駐して逃げました。

社長に恥ずかしけど正直に言ってもうあのトラックには乗りたくない、仕事も辞めたいと相談すると、さすがに別のトラックはないが同僚に仕事上の都合でトラックを交換すると言う事にして幽霊話は内緒でトラックを変えてくれる事になったんです。
社長も信じていたかどうかはわかりませんが、辞められるよりいいと思ったんでしょう

それからは音も聞こえなくなり、交換してくれた同僚も何もなさそうでしたが、二ヶ月ほど経った頃、荷物を積んでない状態で急にブレーキが効かなくなり、追突で前の乗用車に突っ込み相手の車は全損、トラックも廃車。

相手は奇跡的に無傷。
俺は鎖骨骨折と軽かったんですが、当然仕事はクビになりました。

事故自体は霊と無関係かも知れませんし、音がなんだったかも今だにわかりませんが、実際ブレーキがいきなり効かなくなったのは事実です。

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