その会社の土地に原因がある

カテゴリー「怨念・呪い」

新人研修が終わった俺が初めて配属されたのは、関東の某県の営業所だった。

文京都市なんて言われて、古くからそこに住むマダムは駅前の老舗デパートで全て買い物を済ませるのがステータス、そんな地域だった。

配属されて三日も経たないうちに俺は思った。

「この会社の人間おかしい奴多すぎ」

初めて会社に入った、ついこの間まで学生だった人間の目だからというのを通り越しおかしい奴がおおかった。

ギスギスしていて、特にパートのおばちゃんは人格障害レベルだった。
ちょっと獣じみていた。

まともなのは、たまにしか来ない顧問とか偉いおじちゃんだけだった。

ブラックに入ったか?と思ったけど、俺の彼女(霊感少しあり)に話したら「それ、オカルト的なものだと思う」と、ぼそっと、俺の視線に気がつき「ま、異動の話とかあるといいね」と取り繕った笑顔。

余計怖くなった。

おかしいなと思ったことを書くと他の営業所は、夜中まで残業するのにうちの営業所は何故か残業はしても8時までという暗黙のルールというか、営業所独自ルールがあった。
ちょっとおかしい。

しかも会社の中でも大きなお客を多数抱えている営業所だから、8時でなんか終わりっこない。

じゃあどうするか。
人数を増やすんだ。
予算青天井で。
うちの営業所だけ。

だから、他の営業所の人達からは「なんであそこの営業所だけ」と不満が出まくる。

事務のおばちゃんたちも同じで「なんでこんな量をこの人数で」というスケールだった。

実際、8時まで残る人は皆無と言ってよかった。

「何で残っちゃいけないんですか?」ケチな会社だと思いながら先輩に聞いたら、真面目な顔で「出るから」と言われた。

「冗談言わないでくださいよ」と笑って煙に巻いたけど、所長も事務のおばちゃんたちも先輩達も見たり聞いたりあまりに証言が出すぎたため営業所の8時ルールができたらしい。

証言をまとめると
・8時すぎに残っていると便所スリッパのような固い素材を履いた何者かが「パンパンパン」と音を鳴らしながら階段をすごいスピードで昇降する
・やはり8時過ぎに残っていると白い人影が階段をふらついている
・8時過ぎに残っていると男の人声(1人)が話しかけてくる

というものらしい。

信じてなかったけれど、他所の営業所のお姉さんと飲み会のとき全く関係のない雑談をしていたら「あそこの建物と営業所私が入社してから既に2人原因不明の自殺があったんだよね」と。

返事をできずにいたら「一人目を見つけた別の部署のおじさんも、それがショックだったのかなぁ。陽気な人だったのに元気なくなっちゃって自殺しちゃった。私の入社前にも何人かいるんだよね。人数多いから仕事少ないのになんなんだろうね」って。

他所の営業所のお姉さんの話を俺の彼女にしたら、「その自殺した人達は、違うものに引っ張られただけ。俺君も長くいちゃダメだよ。その営業所」って言うんだよね。

彼女に言わせると営業所のおばちゃん達がギスギスしたりおかしいのも、そういう影響だって。

なんか俺、怖くなってさ、「異動できますように」って暇があれば神社にお参りしてた。

で、願い叶って異動できて今は違う場所の営業所なんだけど、俺が入社した頃のメンバーはやっぱりいろいろと問題を起こして事務のおばちゃん一人を残して総チェンジになった。

お札なんか貼ってたけど効果はなかったらしい。

なんでそんな場所に営業所をって思われるかもしれないけど、子会社が不動産関係やっててそのビルを借りてるんだよね。

子会社に利益をあげるために犠牲がでてる感じ。

関係あるのかわからないけど、駅前の某老舗デパートにも出るらしく(ここは新宿の本店も投げ込み寺に近くて出るって有名)お札いっぱいだって勤めてた友達が言ってた。

土地的に何かあるのかわからないけど、俺は怖いって思ったよ。

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