家の家系は、最初の先祖が相当酷い事してたらしいく、父親の代まで兄弟なら1人は必ず死ぬ。
1人っ子も身体に異常があるか、死ぬ・・・かの運命だったらしい。
1人っ子が死んだ場合、近い縁者から養子とってたらしい。
父親自身も小さな頃、栄養、衛生状態が悪かったからかもしれないが、体中に虫が沸いて死にかけたらしい。
どこの病院の薬を試しても治らなかったそうだ。
そこで困り果てた婆さんは、代々仲良くさせてもらってる寺に連れて行って相談した。
で、そこの住職が父を視て、因縁から来てるものだと視て父に護りの龍神さまを入れたらしい。
そしてお経を唱えると、それまで何をしても無駄だった体中の虫が、体中の穴という穴から出てきたらしい。
で、父はそれから行者になった。(仏教を修行する者のこと)
そこで血にまとわりついた因縁は断ち切られたはずだったが、次は私に出た。
確かに私は小さな頃、病を起こす度に母に「神様の火をつけて消さないで」と言って居たらしいが、自分ではそんな事言った記憶がない・・・。
病気以外にも何度も原因不明の高熱を出して、母は私のへその緒を川に流したりして、あの世との縁を断ち切ろうとしたらしい。
極め付けが、3、4歳位の頃の事なんだが、ある日父の仕事仲間がヘマをやらかして急遽父が駆け付ける事になった。
父が車を出す時、私は自宅奥の台所で母と一緒に確かに台所に居たらしい。
しかし、母が目を一瞬だけ離した瞬間、私はそこから消えていて、父がバックさせようとしたトラックの死角に居たらしい。
当然、急いでいた父の車に私は轢かれてしまった・・・。
母曰わく、私はそこで死ぬはずだったらしい。
ところが助かると運命が決まったらしい。
どういう形決まったのかは教えてくれなかった。
一番肝心なところなのに教えてくれなかった・・・。
そこからは暫くは何もない生活が続いたが、つい数年前に父が死んだ。
焼き場から父のお骨が出て来て、私は父の腰の辺りに立った。
その父の腰骨の辺りから、ボールペンより少し大きい位、白い蛇か人魂のようなモノがひょろひょろっと出て来て、私の左耳の窪みから、『ゴショゴショゴショ』と掻き分けるような音をして入って行った。
その時はありえない異常事態だが、何故か大して気にもしなかった。
なぜかは今もわからない・・・。
けどそれから、今まで見えても聞こえてもいなかったモノが見聞き出来るようになった。
それから2年程経って、ふと母にその焼き場であった事を話した。
すると母は、それは父の中に居た龍神さまだと言って、そこで初めて今まで書いた事を話してくれた。
父は行者になる時、龍神さまに誓ったらしい。
「自分が行者になって因縁を終わらせる。行者をする上で自分と家族を守って欲しい。その代わりに龍神様を祀る。しかし祀りは自分一代で終わらせる。」と。
しかし、一代で終わる事は龍神様的にはダメだったらしく、私にその龍神様が受け継がれたそうな・・・。
先祖がした事は、殺しこそしていないものの、相当人の道から外れた事をしていた様子。
父が終わらせる筈だった因縁は薄くではあるがまだ続いてるそう。
母は私にその話をした後、「お前も多分行者になるわ」とケラケラ笑ってやがりました。