10月31日はハロウィン。
日本でもここ数年、Facebookの浸透で「ハロウィン」ブームが起こっていて、渋谷などで若者が大騒ぎして問題になったりしているが、そんな問題はかわいいと思えてしまうような都市伝説が「ハロウィン」の本場アメリカに伝わっている。
それは、「ハロウィン・サディスト」と呼ばれる人の存在。
「ハロウィン」になるとアメリカの子どもたちは近所の家を回って、「トリック・オア・トリート!(お菓子をくれないといたずらするぞ!)」と言って家々からお菓子を少しずつもらう風習がある。
時には知らない人の家でお菓子をもらうこともあるという。
もしも、そのお菓子の中にカミソリや針などの鋭利なものが混入していたら・・・。
もしも、そのお菓子の中に毒物が練りこまれていたら・・・。
考えただけでも恐ろしいが、「ハロウィン・サディスト」はハロウィンの風習を利用して子どもたちを傷つける目的で”危険なお菓子”を準備するという。
1974年10月31日、テキサス州ヒューストンに住む8歳の少年、マーク・オブライエンが、トリック・オア・トリートでもらったお菓子を食べた直後に亡くなった。
キャンディーに毒が仕込まれていたのである。
ところが、この事件には裏があった。
マーク少年に毒入りのキャンディーを食べさせた犯人は、なんと実の父親ロナルド・クラーク・オブライエンだったのだ。
オブライエンは実の息子に多額の保険金をかけ、ハロウィンの夜に起きた不慮の事故に見せかけて殺そうとしたのである。
しかも、マーク少年だけが死んだのでは疑われると思ったのか、他の数名の子供たちにも同様の毒入りキャンディーを渡していた。
それらの子供たちには、実の娘も含まれていたという。
だが、マーク少年以外の子供たちは、奇跡的にキャンディーを口にしなかったのだ。
都市伝説で語られているのと似た話が実際に起きたのだ。
そのため「ハロウィン・サディスト」が実在すると信じた人々が急増した。
しかし、この事件は不特定多数の子供を狙うものではなく、ハロウィンの特殊性を利用した殺人事件である。
しかも、同事件よりも都市伝説のほうが、時系列的にいえば早く流布している。
たまたま類似の事件が後押ししたにすぎないのだが、多くの人が「ハロウィン・サディスト」が実在するからこんな噂が流れたと信じてしまったのだ。