サッカーのヘディング。
昔はあんまりヘディングばっかりするとバカになるよ、とよく言われたものだが・・・バカになるどころの話ではなかった。
なんとヘディングは命に関わるという科学者の見解がある。
1980年代後半からノルウェーで行われている研究では、サッカー選手が繰り返しヘディングを行うことにより、35歳という若さでも記憶力、注意力、集中力、判断力の点で通常以上の低下がみられるという結果が出ている。
現役を退いた選手の脳をCTスキャンにかけたところ、1/3の選手の脳にアルツハイマーと似たような症状がみられた。
また、健康な若手サッカー選手の16%にEEG脳波異常が認められたとの報告もある。
カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)のスポーツ神経学の教授であるBarryJordan氏は、オランダで53名のプロサッカー選手と27名の一流水泳選手、陸上競技選手を比較研究したが、そこでもサッカー選手が記憶力、立案力、認識力の点で他競技の選手と比べて劣るということが明らかとなった。
これは選手の教育レベルやアルコールの摂取量を考慮したうえでの結果である。
また、オランダとアメリカの研究者がアマチュアで12年間、プロで5年間のプレー経験(平均)を持つ選手らを被検者として行った共同研究でも同様の結果が得られた。
加えて、イギリスのディビジョンIIIリーグに所属するExterCityで医務委員を務めるDavidKernick氏は、1999年3月にBritishJournalofGeneralPracticeでサッカー選手の「知能の低下」について警告している。
これまで、ヘディングが幼年選手に与える影響というものに関しては多くの研究がなされていない。
しかし、ヘディングを行う幼年選手は、サッカーを行わない人やヘディングをあまり行わない選手と比較した場合に、知能面で劣っていると神経心理学者のAdrienneWitol氏は報告している。
また、実際の事例としてイングランドの元選手の死亡があげられる。
イングランドプレミアリーグのウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに所属していた元イングランド代表ジェフ・アストル氏(59歳)の死因について検視官は「選手生活で受けた頭部への度重なる打撃が脳に損傷を起こし、脳血管内に蓄積されたタンパク質が死の直接の引き金になった」としている。
ボクシングで大型のグローブで殴られるほど内部へのダメージが大きいのと同様、サッカーボールも外傷に繋がらず内部(脳)へのダメージが大きいと言われている。