「日本の首都は?」と聞かれれば、東京と答えるだろう。
しかし、日本の首都を東京と定めているものは何一つない。
日本の首都を直接定める現行法令は存在せず、なんとなく東京ということになっている。
昔は、天皇のいる場所を都としてきた。
都を移すことを遷都(せんと)という。
遷都しない限り、名目上、首都が移ることはない。
源頼朝もが鎌倉幕府を開き、日本の政治的中心は鎌倉にあったにも関わらず、遷都をせず、名目上は平安京(京都)を都としていた。
江戸時代も遷都はされておらず、名目上は平安京(京都)が都だった。
明治維新で、天皇居住地を京都御所から、江戸城(東京城、現皇居)へ移したが、遷都されていない。
遷都計画が立案されたが、その後も遷都はされていない。
つまり、名目上は京都が都のままである。
では、なぜ首都は東京と言われるようになったのか。
首都建設法(1956年廃止)と、首都建設法を引き継いだ「首都圏整備法」の影響による。
このな法律の中で、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県及び山梨県の区域を首都圏定義している。
しかし、首都圏を定義しているだけで、首都を定義しているわけではない。
勝手に定めた「首都圏」内で、政治経済司法の中心となる組織が東京にあるため、東京が首都として扱われるようになった。
しかし、遷都していないので、京都も首都だと言える。
現行法令で首都を定めているものはなく、なんとなく東京が首都となっている。