あわびの密猟

カテゴリー「都市伝説」

少なくとも当人達にはシャレにならない話。
根本敬「人生解毒波止場」収録「極道ちょっとイイ話」より。

かの奥尻島とも程遠からぬ、ある猟師町。

土地柄、「あわびの密猟」が任侠道の人たちのシノギとなっていた。
その日の晩も組の者があわびを獲っていたのだが、その最中に例の大地震が起きたのであった。
しかし海中にいたためか、彼らは全く気づかなかった。

で、海から上ると何やら丘の方が騒々しい。
見るとパトカーが止まり、警官が立っている。

警官達:「おめえら早ぐ来い早ぐっ」(津波が来るから)

893達:「みつかっちまった!逃げろ!」

警官達:「あっバガヤロッ!どごさ行ぐ!」

組の者達は慌ててボートを漕ぎ、闇につつまれた沖合に消えて行ったという。
港に津波が押し寄せたのは、それから数十分後の事であった。

以上。

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