通夜の回覧

「心霊社員」

長引く不況の中、ある会社でリストラが行われ、50人居た社員のうち8人が解雇された。
しかし、経営状況は改善せず次のリストラを行うことになった。

社長が人事部長に社員名簿を持って来させると、何故かそのリストには50名の社員が載っていた。
会社に在籍しているのは、確か42人のはず・・・。
社長はもう一度、リストの社員数を数えた。

やはり50人・・・減っていない。

怒った社長は人事部長に、リストラしたのに社員数が減っていないと叱責した。
すると人事部長は怪訝な顔をし、「先月、社長の御指示でリストラしましたから、社員は50名ですよ。」と答えた。

社長は更に怒って社員リストを人事部長に大声で数えさせた。
リストには50人の名前があった。
しかし、人事部長は社員は42人だと言い張った。

ますます怒った社長は、全社員を大会議室に集めさせ、その数を数えた。
・・・41、42、43、・・・、50。
やはりそこに居たのは50人だった。

社長は人事部長を振り返り、「50人居るじゃないか!」と怒鳴りつけた。
しかし、そこに人事部長の姿は無かった。

社長は怪訝に思い集まった社員達に「先月リストラしたのに、何故50人も居るんだ」と尋ねた。
すると、集まった社員達は怪訝な顔をするばかり・・・。

社長は再度人数を数えた。
39、40、41、42。
そこには42人しか居なかった。

驚いた社長は、リストをもう一度見た。
そこには社員達の名前が並んでおり、名前の横には「参列の有無」と書かれていた。

それはリストラを苦にして自殺した人事部長の通夜の回覧だったのだ。

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