”それ”に乗らなかった理由

カテゴリー「都市伝説」

夢の中で道を歩いてたら後から馬車がやってきた。
歩くのも疲れたから乗せてもらおうと思ったら、荷台は既に人でいっぱいだった。
荷台の人がみんなで俺を見た。

みんな灰色の顔をしててゾンビみたいで無表情だったんだけど、一人だけ、その灰色のゾンビ顔で満面の笑みで俺に言ってくれた。

「もう一人くらい乗れますよ」

俺は断った。
そこで目が覚めた。

その日用事があって駅ビルに出掛けた。
エレベーターで最上階に行こうと思って待ってたら、地下からやってきたそのエレベーターは既に満員。

中のヤツらはみな無表情でこっちを見てる。
その中の一人だけが笑顔で言った。

「もう一人くらい乗れますよ」

俺は乗らなかった。

そのエレベーターは数十秒後ワイヤーが切れて下まで落ちた。

何人死んだのかニュースで言ってただろうが俺は知らない。

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