幻覚だろ?って言われたらそれまでだけど、妙なものを見たことがある。
高校生のとき、通学中のバスの中からぼんやり外を見てたら、商店街の中にある稲荷神社の前の歩道に、歪んだ形のだるま?のようなものがいた。
形はそら豆に一番近いかも。
ハート型というか。
でもだるまみたいに、顔の部分が丸く白くなっていて、それ以外の部分が、錦って言うのかな・・・綺麗な着物みたいな柄だった。
沢山の色が使ってあって、きらきら光ってた。
顔は、普通のだるまとは違って、平安時代の絵にあるみたいな、薄くて太い眉に、瞑っているみたいな細い目、おちょぼ口。
それが2体、頭の方をくっつけるかたちで並んでる。
文章で説明するのが難しい・・・。
だるまのような、と書いたけど、何ていうか、生き物のような雰囲気だったんだよね。
「なんだあれ!?」と、バスが神社の前を通った後も振り返って、バスが通りを曲がるまで見てたけど、それはずっと鳥居の前にいた。
寝坊して、通勤・通学時間帯を過ぎた朝10時くらいの遅刻したバスに乗ってたんで車内に居たのはおじいちゃんおばあちゃん。
誰もだるまみたいなのを見ている様子はなかった。
道にも人は誰も歩いてなかった。
お祭りか何かで使う置物とか、そういうものじゃなかったと思う。
何かわからない物体なのに、漠然とそれが“いきもの”だと直感したんだよ。
友達に話して変人扱いされるのが嫌だったけど、誰かに話したくて、母親に言ってみたら、ユルい性格のうちの母は「凄い!それ神様かもね!」と返してきた・・・。
でも商店街によくある一般的な稲荷神社だし、まさかお稲荷さまじゃないだろうし・・・。
当時はまだ千と千尋の公開前だったけど、あの映画を観てから、もしかしたらあのだるまって妖怪か何かだったのかな、と今は思ってる。
見たものを文字で伝えるって難しいな。