定期的に急に思い出す昔の話。
近所に藪とツタだらけの家があって、「近寄るな」と言われてた。
でも目の前にあるし気になるし、行きたくて仕方なかった。
ちなみに女の幽霊が出る・・・とか言われてたわ。
ガキの自分はピンポンダッシュして遊んでた。(数分後にお手伝いさんが出てくる)
ある日おねーさんが出てきて「だめよ?」って言われた。
綺麗な服を着てた。
「お化け屋敷なの?中みたいな?」って言ったら、笑いながら案内してくれた。
今ならわかるがドクダミが沢山あって「底無し沼だ~」ってふかふかした土を踏んでだ。
おねーさんは笑ってた。
だが、お手伝いさんがきて怒ってた。
おねーさんはお手伝いさんに「お友だちなの」って言って家の中に呼んでくれた。
家の中には映画で見るような長いテーブルがあった。
その時私を含めて4~5人いたのに家に入ったのは3人だった。
他の友達はびびったらしい・・・。
お茶を飲んだあと、おねーさんに家の中を案内してもらって「お化け屋敷じゃないでしょ?(笑)」と笑われた。
綺麗だった。
でもお手伝いがずっといた。
皆は嫌がるけど私はおねーさんが好きだったので、親に怒られたけど何回もいった。
当時はわからなかった。
「お父さんがね・・・触るの・・・」
「お父さんがね・・・お風呂を・・・」
子供だからわからなかった。
「好きだからだよ!」
「私も入るよ!」
今ならわかる。
一ヶ月もしないで親にバレて怒られた。
たまに塀のまぎわきに手紙を置いてたら返事があった。
『大丈夫、ありがとう』みたいな内容。
しばらくしたら敷地内に犬がたくさんいた。
犬が吠えるとテーブルにいたおじさん(お父さん?)が走って怒鳴りにきた。
だいぶあとに”女性の遺体が”・・・と話題になった。
だれもみな知らないと言ってた。
親に「おねーさんは?」って聞いたら「忘れるように」って言われた。
当時は4さいくらいだったので、親も忘れてるかも・・・。
私はもう引っ越しをしてるので、今ではあまりそこを通らない。
でも未だに白いワンピースの女性が出るらしい。
出る場所は、私とおねーさんが約束して手紙の交換をしていた場所。
バレたら大変だから!と手紙を埋めてた。
でも、そのうち敷地内はドーベルマンでいっぱいになった・・・。
おねーさんと金網(裏口)越しでも会えなくなった。
確か奥さん早く死んだんだよな。
おねーさん綺麗だったな。
子供の時には想像もできなかった世界があったんだと思う。
でも数年前に通ったら白いのが裏口をうろうろしてた。
「あ・・・おねーさん・・・」
そう思ったけど何もできないままだった。
今は本当のお化け屋敷。
奥におっさんもいる。
ちなみに、まだ死んだ(殺された?)ことを知らないとき、おねーさんが塀の側に寄りそって歩いてた。
俺:「あ!おねーさんどこいくの?一緒にあるこ!」
おねーさん:「いいよ、そこまでね」
俺:「そこのコンビニいこうよ!」
おねーさん:「ごめんね・・・まってるよ」
アイスかって渡した。
離れられないのかもしれない。
でも一緒に歩いたよ。
途中で消えちゃうけど・・・。
通ったら「さっちゃん」っていってくれたよ。
やっぱり途中で消えたけど。
おねーさんは優しかった。
それを思い出したので書いてみた。