毎日1段ずつ近づく

カテゴリー「都市伝説」

ラジオの心霊番組で聴いた話です。

それはDJがリスナーから電話で直接怖い話を聞くコーナーでの話です。

リスナーが友達から聞いた話なんですが、その友達は自分の弟が目の前で溺れ死ぬのを助けられなかった事があるそうです。
その弟は「にいちゃん!」と叫びながらゆっくり沈んでいったそうです。

その事故から1年以上たち、友達もその悲惨な事件を忘れていました。

ある日2階の自分の部屋で寝ていると、突然玄関を叩く音が聞こえたそうです。
「こんな時間に誰やねん!」と思っていましたが、1階で寝ている両親が出るだろうと思ってほうっておいたそうです。

でも親は一向に出てこず、そのうち鍵を掛けているはずの玄関のドアが開く音が聞こえました。

誰かが玄関に入ってきたようです。

「トコトコ」と玄関からあがりこむ足音が聞こえました。

音は2階へつながる階段の前あたりでピタッととまったそうです。
そしたら「ダンッ」って足を踏み出す音がして、子供の声で「1段のーぼった!」って言ったそうです。

次の日の夜も誰かが玄関に勝手に上がりこみ、ダン・ダンって足を踏み出す音がし「2段のーぼった!」って子供の声がしました。

友達ももちろんその声が死んだ弟の声だというのはわかっています。
また次の日はダン・ダン・ダン「3段のーぼった!」とうふうに弟は1日ずつ兄である友達に近づいてくるそうです。

朝階段の段数を数えると13段ありました。
今は9段目まできているそうです。
あと4日で自分に会いにくるのはわかっています。
親にも言えないそうです。

ラジオでリスナーはその友達をとても心配していました。
もう何年も前のラジオのあるコーナーの話で、現在進行形の話だったので、逆にリアルで怖かったのを覚えています。

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