犬神様と思われる人が手に持っていたもの

カテゴリー「都市伝説」

学生のとき、友人と民宿に泊った。

そこは古い民家みたいなところで、母屋の隣にでかい蔵があった。
で、民宿のばあちゃんが言うにはその蔵には神様が祀ってあるから入るなとのこと。
そんなこと言われると、入ってみたくなるのが人情ってもんで、例に漏れず友人と連れ立ってこっそり蔵の中を覗いてみた。

覗いた僕らは唖然とした。
蔵の内壁には伊勢神宮にあるような神代文字?が赤い塗料でびっしりと書きこまれており、そこかしこにお札が貼ってあった。

で、やばいと感じた僕らはそそくさと部屋に戻り、その後は飯食って酒を飲んでた。

そうして夜も更けた頃、蔵の方から突然ばんばん!!ばんばん!!と、音がする。
蔵の扉をたたいているような音だった。

不審に思った僕らは泊っていた母屋の2階から蔵のほうを見てみた。
蔵の扉は内側から強い力で叩かれ、叩かれるたびにすごい音をたてていた。
僕たちはその光景を呆然と眺めていた。

すると突然、蔵の扉がばん!!と開き、中から人影が飛び出してきて、あっという間に外に走り去ってしまった。

目の錯覚かと思った。
見間違いかと思った。

蔵から走り出てきたのは、犬の頭部を持った人間だったからだ。

その後、祟りなんてものには全くあっていない。
ただ、その地方に犬神っていう神様がいることだけは何かで聞いた。

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