アレにバレてたら殺されてたはず

カテゴリー「都市伝説」

子供の頃、ある日夜中に急に目覚めた俺は部屋が真っ暗な事に気付いた。
暗闇じゃ寝れない俺は必ず豆電球はつけてた。

やだなぁと思ったらダダダッ!とすごい勢いで階段かけ降りる音がして少ししてまたダダダッ!と階段駆け上がる音がした。

その勢いのままガチャッとドアあけて誰かが部屋に飛び込んできた。

俺んち隣は旅館で、夜中でも常に明かりがついてて、ドアの横の窓から明かりが入ってくるから入ってきた人間の顔ははっきり見えるんだけど、そいつは真っ黒。
全身真っ黒。

ヒトの形した暗闇って感じで、俺なぜか『起きてるのがばれたら殺される』ってわかった。

あわてて目を閉じてサッと頭まで布団にもぐった。
だけど何でか見えるんだよ、そいつが奇妙な動きで飛び跳ねながら妹が寝てるまわりぐるぐる回ってるの。
んで時々屈みこんで妹の顔や腕をリズミカルにぺちぺち叩くのが。

妹は俺がふざけてると思ったらしく、『やめてよお兄ちゃん』と寝呆けた感じで言いながら、そのヒトガタの暗闇をバシッと殴った。

そしたらそいつは入ってきた時と同じように物凄い勢いで部屋を飛び出し、階段を駆け降りていった。

なんだったんだろう?

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