見つけて欲しい声

カテゴリー「都市伝説」

今月あった話。

同郷の従姉妹が県内国立大進学のお祝いに親から中古の軽自動車を買ってもらった。(田舎なので地元大学在学中に車を持つのは女子でも普通)

何度か友達とドライブした時には何の異常もなかったが、初めての一人ドライブで山道を走っていると、後部座席から

「そこに私埋まってるの」

と若そうな女の声で話しかけられた。

車を止めて後部座席やラゲッジも確認するが誰もいない。
0感でオカルト否定派自立系女子の従姉妹、気のせいかと運転席に戻りお茶を飲んでいたら

「あの雑木林に埋まってるの」

と再度声が聞こえた。

怖くなった従姉妹が自分の駐車場に戻るまで声は聞こえず。
やっぱり気のせい?と思いながら車を出ると、

「ここで待ってるから」

と同じ女の声。

ここまでが従姉妹から聞いた話。

車に乗るのが怖いから見に来て、と呼ばれて休日の昼下がりに一緒に車を調べたら、ラゲッジの下の収納ボックスの蓋?の隙間に、ピンクのジェルネイルごと剥がされた爪(なんか皮と血付きのグロいの)発見・・・

爪を車に残して従姉妹の寮に向かおうとドアを閉めた後、

「待ってるから」

私にも従姉妹にも聞こえた。
過日の声と同じだったそう。

細いきれいな声だった。

爪を見つけた時は怖いばかりだったけど、寂しそうなその声は怖さより悲しさを感じた。

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