霊感商法から足を洗った理由

神奈川県の観光名所に程近い某駅で、男の子を連れた若い母親が突如声を掛けられた。

「ちょっといいですか?」

声を掛けて来たのは人の良さそうな中年女性である。

母親のなんですか?という問いに「あなたの首に、顔が半分無い男の霊が憑いているのが見えたもので・・・・」と。

中年女性の話によると、自分には強い霊感があって、霊感は昔大病を患ったときに死の淵を覗き込んで身に付いた。
そして顔が半分欠けた悪霊を今すぐに除霊をしなければ母親はもちろん、一緒に居る子供にも霊は危害を及ぼすだろうと緊迫した表情で語った。

その話を聞いた母親は青ざめて「本当ですか!!2年前に亡くなったあの子が私の傍にいるんですか!!!しかも男の悪霊と!?今すぐにあの子を救ってあげて下さい!!!お願いします!!!」と、若い母親は半狂乱になって、中年女性の襟を掴んで強く揺さぶって来た。

「分かりました落ち着いて下さい!!」

母親をなだめて、ふと男の子の方を見ると、恐ろしい形相で中年女性の方を睨んでいる。

そして男の子は「ママをイジメる奴、コロス」と、子供とは思えない声色で呟いた。

若い母親には男の子が見えていないようで「あの子は苦しんでいませんか?助けてやって下さい!!」と繰り返し叫んでは、襟もとにしがみ付いて離れない。

男の子はさらに恐ろしい形相になり、中年女性の腕を掴もうと近づいて来た。

「もう大丈夫です!!男の悪霊は去りました!!!」

そう言って、母親の手を振り払うと這うようにして男の子から逃げ出したのだった。

中年女性はその後、原因不明の高熱を出して生死の境を彷徨うことに。

朦朧とした意識の中、男の子の恐ろしい形相が浮かぶので、人を騙すことが恐ろしくなり、所属していた宗教団体から脱会して霊感商法から足を洗ったのだった。

今でも幽霊を連れた母親は駅周辺で目撃されているようで、霊体の男の子の特徴は団体内で伝えられている。

もし、そういう母子を見かけたら、絶対に話し掛けてはいけないという御触れが出ているそうだ。

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