都市伝説系でいくつかご紹介。
【「痛い」を繰り返す顔】
今朝、バイト行く途中で交通事故の現場に出くわしてしまった。
ついさっき起こったばかりみたいで、壁にめり込んだ車から煙が上がってる。
車はひどい状態で、「こりゃ乗ってた人ヤバいだろうな」って思ってたら声がすんの。
よく見たら窓があっただろうひしゃげた部分から女の人が顔出して呻いてたのよ。
思わず駆け寄って、大丈夫ですかって声をかけても「痛い・・・痛い・・・助けて」って繰り返すだけ。
とにかく意識があるのにホッとした俺はすぐに110番して、到着した警察の質問に2,3答えてバイトに向かった。
休憩時間にバイト仲間に事故の話してたら、案の定テレビのニュースでやってた。
『今日午前、○○町でスリップした乗用車が壁に衝突する事故があり、運転していた女性が死亡しました。女性は大破した車体に挟まれて首が切断されており、即死したものと見られています。』
【アテレコ】
男のアパートの窓からは、近所の動物園のゴリラの檻が見えた。
うだつの上がらない浪人生である男は、暇さえあればゴリラを眺めていた。
檻には二匹のゴリラがいたが、いつからか、心の中でゴリラの会話をアテレコするようになる。
すると奇妙なことに、ケンカをするようなアテレコをするとゴリラはケンカし、仲良くするようなアテレコをすると仲良くしだした。
予備校やバイト先などでストレスを貯めていた男は、ゴリラたちに檻の中が不満だらけであるようなアテレコを行う。
やがてそのアテレコは過激さを増し、飼育係の女性への殺意にまで至る。
「あの人間を殺してやろう」とアテレコすると、なんとそれは現実に起こる。
アパートの窓からそれを見ていた浪人生、さすがに怖くなって布団をかぶって震える。
すると、頭の中にいつものアテレコ口調で声が響く「この部屋だな、いつもジロジロ見てやがって、手足をちぎって喰おうぜ」