毎日のようにその墓地から

カテゴリー「心霊・幽霊」

高校2年の夏に仲の良かった友達の家に初めて泊まった。
遊んでから家に行ったから周りがどんな風景なのかもわからない状態。
家は普通に一軒屋の二階建て、友達の部屋は二階で玄関を南とすると北側の部屋だった。
夜11時くらいに友達が「俺風呂入ってくる」と部屋を出て行った。
その数分後、「うぅぅぅぅうぅぅぅぅぅ」と何処からか声が聞こえてきた。

友達がドアの前でやってるんだと思い開けてみるといない。
風呂場から水の音がしてるし、両親はすでに就寝済み。

その後も「うぅぅぅぅうぅぅぅぅぅ」と低い声で聞こえていて、怖いながらもテレビの音量を上げて本を読んでいた。
最初はテレビにかき消された声も、どんどん大きくなってきた。
すると友達が戻ってきたので「お前、何か声聞こえない?さっきからずっとするんだよね」と聞くと、「毎日聞こえるよ。いつも子供か老人の声がする。」とさらっと答えた。

友達が部屋の窓を開け指差す方を見ると、小さな墓地があった・・・。
友達曰く毎日のようにその墓地から声が聞こえているらしい。
最初は死ぬほど怖かったらしいけど、もう2年も毎日聞こえるからマヒしてしまったと。
結局朝までこの声で眠れなかった。

怖いのは怖いけど、あっけらかんと話す友達の姿がもっと怖かった。

もう一つ別の話。

大学時代の友人の部屋は、夜11時ぐらいになると誰もいないはずの押入れ・風呂場やトイレから気配と水音がしたり、言い争う声らしきものが聞こえたりと結構頻繁に怪奇現象の起こる部屋だった。

そいつは「男女合わせて二人の幽霊が一緒に住んでるぞ。まぁそのぶん家賃安いから三人でシェアしてるみたいなもんだなw」
なんて言い放つほど豪胆な奴だったが、そんな男もだんだん酷くなる状況に嫌気がさしてきたらしくなんとかしようということに。

コンパで知り合った自称霊感少女にその部屋の様子を見てもらおうとお願いして、件の部屋に泊り込みで酒盛りをした時のこと。
ほどなくしてトイレの水を流す音がした後、以前に泊まった時よりも激しいラップ音とボソボソと喧嘩をするような声が始まった。
あまりの激しさに皆引きまくってどうしようかと相談してたら、それまで押し黙っていた霊感少女がいきなりケタケタと笑い出した。

みんながこれはヤバイと感じて笑い続けるその子を放置して、一目散で玄関から我先にと外に飛び出した。
アパートの目の前の駐車場で「やべぇよ」とか言い合ってたんだけど、10分ほどたってその子から携帯にtelが「もう大丈夫だから部屋に戻っておいでw」と。
ビクビクしながら戻ってみると女の子は普通にテレビ見ながらビールを飲んでた。

ホッとしつつも何が起こったのかその子に聞いたら「確かに男と女の二人の霊がこの部屋にはいた、どうやら付き合っているらしい」「でもあんまり仲が良くなくて最近は喧嘩ばっかりしている」とのこと。

さっき笑ったのは女の霊が男の霊に「トイレでうんちした後なんで流さないの!?」と本気で怒ってることが可笑しかったらしい。

結局その子が喧嘩の仲裁?に入った後、女の霊にあんな男とは別れてどっかいけと言ったら女が消えて、それを追うように男も消えたとか。
以後、その部屋で怪奇現象が起こることはなくなったけど「女を見捨てて逃げ出した最低な男たち」としてしばらくその霊感少女には虐められました。

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