水子供養のお寺

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今から17年位前の出来事です。

兵庫県の加西市に、一乗寺と言う水子供養のお寺があります。
そのお寺は山の上にあって、ふもとから階段を登る、地元では有名な心霊スポットの場所です。
高校3年の就職組で勉強もすることもなく、卒業を待つだけの時間に余裕があり、仲の良い友達と毎晩の様に遊びほけていた。

ある時、俺(T)が車の免許を取っていて、「今日はスリリングな夜を味わいたい!肝試しに行こう!」と友達3人を誘い、一乗寺に行く事になりました。
その時、僕はバイトをしていて、バイトが終わってから晩御飯を食べてすぐさま遊びに行ったので、時間は23時位だった思います。
助手席はH君、後部座席の2人はM君とS君です。

道中迷い、深夜0時30分には一乗寺のふもとに着いたと思います。
ふもとの広場に車を止め、やっぱり怖いので足がすくんでいた時、1台の車と2台の単車(ヤンキーが乗る様な)があるのに気づきました。

H:「先客が居るで」
S:「女の子も居るで、山の頂上付近でキャーキャー聞こえるわ」
M:「ヤンキーでも怖がるねんな!?男もキャーキャー言ってるで」
俺:「どうする?俺達だけやったら怖いから一緒に後を付いて、怖さ紛らわすか?」
H:「そうしよう」
俺:「急ごう!」

早足になりました。

一乗寺は夜間侵入者を防ぐ為、いたる所にサーチライトをしかけてありました。
懐中電灯も持たず来た俺たちには都合が良かった。
階段の中腹には3つ4つ小さなお寺がありましたが目もくれず、ヤンキー達に合流したかったので、早足で階段を登っていました。

俺達が頂上付近に辿り着いた時は、ヤンキー達は堪能したのか、「そろそろ降りよう」と、山を下る準備をしていました。

Hがヤンキー達に「怖い箇所ありましたか?」と聞くと、ヤンキーの女子が、「もうチョット上の方、地蔵1体、頭無いのがあるで。あと、コケぎょうさん生えてるから、コケルで。気つけや!」と。

俺達は「ありがとうございます」って返して、見送っていました。

S:「25才位の、おっさん、おばはんやん」
M:「え~歳してヤン車で暴走すなよ!」
って、けなして笑った記憶があります。

H:「どれどれ?おばはんの言ってた、お地蔵さんどれや!?」

と探していたのですが見当たらず。
確かにお地蔵さんはたくさんあるのですが・・・。

もうその頃には、先客のヤンキーにも触れ合えたし、怖さや緊張感が無かった。
結構な時間、頂上付近で頭の無いお地蔵さん探したのですが見当たらず、降りようと考えていた時、下の方から「ブオン、ブオン、ブオン、ブオン・・・」と、ヤンキー達がふもとに着いて、単車のエンジンをふかしている音が聞こえた。

俺:「しらけた、スリリングな気持ちにならん。もう降りよう」
H:「そやな、もう怖く無いし。早足で階段登って足だるいし・・・」

そう言って、山を降りる事にした。

登る時に見過ごした3,4個の小さなお寺も見ながら降りて行ったのですが、相変わらずヤンキーの単車が「ブオン、ブオン、ブオン、ブオン・・・」と。

S:「祟られるぞ!罰あたりが!」

今考えると、充分俺達も罰当たりな事してるし、スリリングを味わいたいが為に、水子供養の寺を夜中に散策してる。

しばらくして、もうすぐふもとって気がゆるんだ時、女の声で「キャーーーー」って、ふもとから聞こえた。
男の声で「うわー」「やばい、逃げろ」って声もしてきた。

俺達内心、近所の苦情で警察が来たなって思っていました。

M:「だいぶん長い間バイクでふかしてたから、警察もそら来るわ!」
S:「ほら罰当たったわ」

俺達がふもとに着いた時、単車が一台エンジンが掛かったまま倒れていたのが目に付いた。

H:「逃げるのに相当必死やったみたいやな!?単車捨てて逃げたみたいやな」
S:「罰当たったんや」
M:「せっかくやから、ちょっと単車乗る?」
俺:「そやな。警察ちょっとの間、来ないやろうから乗るか」

俺が単車を触ろうと単車に近づいた時、SがMにゴソゴソと耳打ちしてるのにも目に入った。
すぐしてMの顔がコワバッテきた。
怯えている感じだった。

するとその時、Hが「T!帰るぞ!!」と、大きな声で怒鳴った。
Mが「ちょっと、やばいって!」と怯えながら、震える足でゆっくりゆっくり俺の車に戻ろうとしていた。

Sが「T!車の鍵出してすぐ車のエンジン掛ける様にしとけ。車戻るぞ!!」と。

俺はわけが分からず、でも友達の顔がこわばって、尋常で無い事は察したので、急いで車の鍵を開け飛び乗った。

S:「早くエンジン掛けろ」
M:「早く掛けろって」

皆から急かされているんだけど、俺も車の免許取立てで、夜中で車内真っ暗で、鍵が鍵穴になかなか入らない。

皆が気が狂いだして、「早く!!」「早く!!車出してくれ!!」と。
それでもモタモタ・・・。

そんな中、Mが「やばい!コッチ来た!!」と。

Sも後ろを振り返り、「T!すぐそこ居るネン!!早く車出せ!!」。
尋常では無いほど皆が焦って、気が動転していた。
そんな中やっと鍵穴に鍵が入り、エンジンを掛け、急発進させる事が出来た。

M:「やばかったって!T!単車がこけていたすぐ横の電話ボックスに、人が居ったん気付かんかった?」

H:「人では無い・・・」

Sは後ろを気にして、ず~っと後ろを見ている。

俺:「全然見えへんかったで!どんな人?」
H:「透けている女の人・・・」
M:「車乗った瞬間、追わえて来たん、かなり焦ってわ」

Sはまだ気が動転してて黙り込んでいる。

俺:「見えへんって、逆に怖いヤン」
H:「単車に触ろうとしたから、Tが一番近くにまでいたんやで!」
俺:「怖すぎるやん。電話ボックスもチャンと見たけど、そんな人居らんかったし」

Sの気も落ち着いたのか、「多分あのヤンキーの人も、あの女の人見て逃げたんやで・・・」と。

おしまい。

一乗寺と言う水子供養のお寺での体験談でした。

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