猿みたいな女

カテゴリー「怨念・呪い」

札幌で大学生をしていた時の話。
夏休みに友人たちと集まっていたとき、ふと肝試しに行かないかという話になりました。

北海道の札幌と小樽の間に銭函っていう街があるんですが、その辺りの道路脇に廃屋があり、そこが心霊スポットだと聞いた私達は男4人で車に乗りあわせ行ってみることに。

その廃屋は裏が森になっており、そのせいでとても不気味に見えるのだそうだと。

しかし到着したのが午後4時頃で日も高く、肝心の廃屋も至極小さい民家な上に、穴だらけで真夏の晴天の日差しがタップリと入り込み、全く怖くありません。

ガッカリしながら裏口の様なところから出ると、友人の一人(Mとします)が森の方を見ながら愛想笑い?の様な表情を浮かべ会釈しているのです。
森の方を見ましたが何もありません。

帰ろうかと車に乗り込み、しばらく走っているとMがふと「何、さっきのチンパンジーみたいなババア」と言うんです。

みんな何の話かわからず、は?という顔をしていると、Mは「さっき森のところに変な女の人いたじゃん、地主かな」というのです。

Mがいうには、裏口から出て森の方を見ると、木の陰から髪がボサボサのオバサンが歯茎をむき出しにして笑ってこっちを見ていたそうなのです。

みんな当然Mが盛り上げるための作り話をしていると思い、適当にリアクションしていました。
その後、そのままMのアパートに行き飲み会をすることに。

しばらくして氷がなくなったからコンビニで買ってくるとMが出かけていったのですが、15分くらいして走って帰ってくるなり「さっきのババアがついてきた!!」と言うんです。

私は正直まだそのネタ引っ張るのかよ!、と思いました。
他のふたりもそうだったと思います。
興奮するMの話を流して、その日は夜通しテレビゲームなどして朝方に解散となりました。

2日後、Mともう一人(Dとします)が小樽までバイクでツーリングに行くといって出かけて行きました。
私はバイクの免許を持っていなかったので参加しませんでした。

そして夕方ごろDの携帯から電話がかかってきて、出ると「Mが事故った!!」と。

状況がわからない私は「事故った?大丈夫なの?救急車呼んだ?」と聞くとDは震えた声で「呼んだけどダメだと思う脳みそ出てるもん・・・」と。

Mはカーブを曲がりきれずにガードレールに衝突して亡くなりました。
ぶつかった拍子にヘルメットが脱げたそうです。
フルフェイスが脱げるのはちょっと信じられません・・・。

ここからはあくまでDから聞いた話です。

事故った時ちょうど対向車がおり、乗っていたのは同じ大学の男女でした。
偶然居合わせてしまったふたりはパニックになっているDに救急車を呼ぶよう促すなどしてくれて、そのあとその場に警察が来るまで立ち去らずに居てくれたそうです。

警察が来て色々と聞かれたそうなのですが、そのふたりは「後の人がヘルメットをかぶっていなかった」と言ったそうです。

ノーヘルは結構重大な違反ですし、なにより後を走っていたDはきちんとヘルメットをしていたので、すかさず「いいえ、自分はきちんとヘルメットをかぶっていました」と否定したそうなのですが、「いや、貴方じゃなくて・・・」と。

前を走っていたMの後ろに女の人が乗っていたと。
ノーヘルの変な女の人が乗っていたと言うんです。
その人が見当たらないので立ち去らずにいたそうなのです。

ふたりがしきりに「変な女」と繰り返すので、警察官が「変って?」と聞いたそうです。
そしたら「なんか猿みたいな」って。

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