一昨日、街の真ん中の方の劇場で、友達と2人でレイトショーを見に行った。
終わる時間が割と遅くて終電に間に合うか危うく、交通費も浮かせるし、運動にもなるし・・・と歩いて家まで帰ることにした。
家は歩いて40分くらい。
深夜で人通りの少ない住宅街って、意外と怖いもんで私はあまり好きじゃなかった。
知らない道だと特に・・・。
家と家の真っ暗な隙間とか、電気の消えた窓とかが気になったり。
多分ビビりなんだと思う。
しばらく歩いてると、私たちの歩いている方と反対側の歩道沿いにある民家のブロック塀の上で、チラッと白い猫みたいなものが動いた。
おっ、と思ってよく見ようとした。
しかし、暗くてちょっと遠いこともあって、正体がハッキリしない。
猫なのか?と思ったら、隣にもう一つ白い影が見えた。
・・・なんだか丸い。
どうも人の顔のように見えてきた。
表情は読めないが、不思議そうに首をかしげたままずっとこっちに顔を向けている。
先ほど猫のように見えたのは、この人物が手に持った白い何かで、それを左右にフラフラ動かしながら、ただ私のことを見ているようだった。
こんな時間に、庭で何をしているんだろう。
ブロック塀の高さ的に、大人くらいの身長だ。
なんだか怖くなってきたのだが、一緒に歩いている友達はその光景に気づいてもいないようだった。
何かの見間違いだろう・・・と目を逸らしその場を通り過ぎることにした。
その民家のある通りを抜け、角を曲がり少し歩いたあたりで「そういえばさっき・・・」と、その友達に、先ほど変なものを見たと話そうとした。
すると、友達は「ああ、そういうの見ちゃったら家に帰るまで、その話しない方がいいよ」と教えてくれた。
その一言にゾッとして、家に着くまで、なるべく大きくて車のよく通る道を選んで帰った。
結局なんだかよくわからなかったけど、気味が悪くて忘れられなかった。