現代の物理学や天文学では、宇宙は光速を上回るスピードで膨らんでいるとされています。
その証拠として、遠い宇宙からやってくる光の波長が長くなる「赤方偏移」があげられます。
これは天体が高速で移動するために、ドップラー効果によって赤方偏移がおこるというものです。
そして今回、「宇宙は従来の推測よりも5~9%高速で膨らんでいる」という新たな研究結果が発表されました。
今回の研究では、天文物理学者のAdamRiess氏とそのチームがハッブル宇宙望遠鏡を利用して、2,400のケフェイド変光星と300のIa型超新星を観察。
そしてla型超新星の距離と宇宙の膨張速度を比較しました。
その結果、宇宙の膨張速度は1パーセク(3.26光年)において、1秒あたり73.2kmだと判明したのです。
また、これにより98億年前から現在にかけて、宇宙空間の物体の距離は2倍になっていることも計算できます。
この宇宙の膨張には「まだ解明されていない力」、つまり従来より強いダークエナジーやダークラディエーション(謎の粒子)が関与しているものと思われます。
また、ダークマターもこれまで考えられていたよりも多く存在している可能性があります。