オーストラリア・パークス天文台の電波望遠鏡が昨年4月、おおいぬ座の方向で瞬間的に観測した電波は、約50億光年先の楕円(だえん)銀河から届いたことが分かった。
豪スウィンバーン工科大や日本の国立天文台、東京大などの国際研究チームが24日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
電波望遠鏡で1000分の数秒ほど電波を観測する現象は「高速電波バースト(FRB)」と呼ばれ、近年注目されるようになったが、発生する場所やメカニズムが謎だった。
今回はバースト後に電波が弱くなった天体を特定できたため、すばる望遠鏡が目に見える光で観測した画像と重ね合わせた結果、発生場所の銀河が判明した。
ただ、発生メカニズムは依然はっきりしない。
東大の戸谷友則教授は、二つの中性子星が互いの周りを回る「連星中性子星」が合体した際、発生するのではないかとの見方を示した。