大学の時の友達の話。
その友達には姉がいて最近ストーカー被害に遭っているらしい。
警察沙汰にしたくないから、友達を暫く自宅に泊めさせて撃退しろと頼まれ、友達は渋々了承した。
んで、そのお礼みたいな感じでその夜、焼肉食いに行ったんだとさ。
して暫くしたら姉が震えだして、友達に私の後ろにいる、と告げた。
友達は後ろの席に吐き気がするくらい不気味な笑顔のオッサンが座っているのに一瞬で気づいた。
友達曰く七福神のお面みたいな、作りものが貼り付いてるようなそんな感じだったんだとさ。
姉は以前そのオッサンがストーカーしてるの見ていたから確信があった。
キレやすい友達はすぐその場でオッサンに「お前警察に突き出すぞ、付きまとうな！」、と詰め寄る。
すると、オッサンは表情１つ変えないで退席した。
友達は怒鳴り散らして店に迷惑もかけたのもあってそれ以上深追いはしなかったんだと。
あれだけ警告したんだから、ストーカーは無くなるだろうと友達は自信を持っていたが、現にその通りになった。
翌日から姉へのストーカー被害はピタリと止まった。
友達もあまりの容易さに拍子抜けしたらしい。
んで、結局この件に関しては一見落着した。
でも、数日後今度は友達に異変が起きた。
そのオッサンが今度は友達に付きまとい始めたらしい。
やり方は巧妙で友達が歩いていると後ろからチャリで近づいてすれ違ったり、満員電車の地下鉄の中で近づいたり、友達が身動き取りづらい状況で接近してくるらしい。
そして決まってあの張り付くいたような不気味な笑顔でこちらを眺めてくる。
友達は警察に相談したが、傷害など何かしら実害を負ったわけでは無いので動けないと役に立たなかったんだと。
次第にオッサンの付きまとい行為は悪化していき、コレ書いてる自分に大学構内までアイツが入り込んできた！と友達が騒ぎ立ててきた事まであった。
友達も自分でオッサンを取り押さえようと友人関係を総動員したが、それも把握されているようで意味がなかった。
成す術なく友達は日に日に憔悴していった。
微笑むだけで何もしてこない、次に何をしてくるのかわからない恐怖感があったんだと。
んで、友達は結局大学を中退して引きこもった。
自分も次第に彼とは疎遠になって、今はもうわからない。
数日前、数年ぶりに彼と仲良くしていた共通の友人に会ったとき聞いた話でした。
当時自分は彼が狂言を言っているのだろうと思ってたけど、真相を知って少し怖くなった。
