僕は小学校三年生の時に、小さな村に引っ越しました。
しばらく暮らしていると、不思議な事に気が付きました。
それは、この村で猫を一匹も見た事がないのです。
飼い猫は勿論、野良猫も全く見た事がありません。
僕は気になって、両親に聞いたのですが、全く解らないという事でした。
次の日、僕は驚愕の事実を知る事になりました。
その日、近所に住んでいる爺さんが、何かを持ってきました。
食べ物のおすそ分けらしく、タッパの中に何か赤黒い物体が見えました。
そして、爺さんはこう言ったのです。
爺さん:「これは、昨日捕獲したばかりの、珍しい野良猫の肉ですじゃ」
応対に出ていた母親は、どぎまぎしながらも、一応受け取ったのです。
そして、爺さんはこう言ってから去ったのです。
爺さん:「この村は昔から猫を食う習慣があってなぁ、最近は養殖猫が主流じゃが、新入りの方じゃから、数少ない天然の野良猫を食べてもらおうと思った訳じゃ」