子どもの頃、自称霊能者の友達から変な遊びを教わった。
印を結んで、目をつむって歩く。
この動作を毎日繰り返すと、目を瞑っても、ものを見ることができるようになる・・・というものだ。
一時期、俺らは公園でこの遊びを毎日やった。
やがて、本当に俺は目を瞑っても前が見えるようになったんだ。
それが面白くて、俺はそれをどこでもやるようになり、その日は目を瞑りながら犬の散歩をしてみることにした。
いつものルートを外れて池の周りを通ってみることにした。
そして、歩いていると白いワンピースみたいなのを着た女性がいたんだ。
”それ”は歩き方が変だった・・・。
足を動かしてもいないのに、すごい勢いでグルグル動いている。
その人は俺に気がついたようで、すごい勢いで俺のいるほうに近づいてきた。
逃げようと考えたが、足が震えて動かない。
その女は目の前までやってきた・・・。
口と目を大きく開いて、ムンクの叫びのような顔をしているのがわかる。
女は俺の首に掴みかかろうとし、俺は焦って後ろに尻餅をついた。
もうだめだ!!!!!と思った。
その瞬間、俺は目をパッと開けて、気づくと女は消えていた。
自称霊能者にこの出来事を伝えると「すげーーー!いいなーー!俺もやろっ」というだけで助言も何も言ってくれなかった。
でも後日、「あそこではやめたほうがいい。あぶねぇ」と言ってたので、ヤバイ所だったんだろうな(笑)
それ以来、その遊びは止めたし、変なことも起こらなかった。
ただ、あの時女に触れたらどうなってたのかを考えるとゾッとする。