高校の夏休み、男5人くらいで海に行った時の話。
ゴムボートで沖に出ようってことになって、俺とA、Bでボートに乗って沖に出た。
結構な沖まで出てきて、俺は全然泳げないから、乗ったまま岩壁にへばりつく大量のフナムシに悲鳴を上げたりして楽しんでたんだけど、A、Bはかなり泳げるのでボートから降りて沖で楽しそうに笑いながら優雅に泳いでた。
それを眺めてたら、Aがゴーグルを海に落としてしまったらしく、「あ!やばい、ちょっと行ってくるわー」と言って潜って行った。
んで30秒くらいして戻ってきたんだけど、潜る前と様子が違う。
まず顔面蒼白。
ずっと「まじやばい。まじやばい。」って呟いてる。
どうしたの?サメでも居たのwって聞いたら、「いや、何でもない。俺、浜に戻るわ」と言って凄い勢いで戻って行った。
Bと首をかしげながらも、「気圧で耳おかしくなったんじゃねw」とか言ってしばらく漂ってたけどだんだんなんか怖くなって浜に戻った。
戻るとAが顔を伏せて座ってたから、大丈夫か?と聞いたら、「いや、ホントに何でもない。」の一点張り。
その後皆でBBQしたりしてる時もずっと顔面蒼白で海を見つめてた。
ただならぬ雰囲気に俺とBは完全にビビってた。
その後夏休みが明けて、学校でAと再会したら、いつもの明るいAだった。
あれ、結局なんだったの?って聞いたら、「ん?そんなことあった?w」と全く記憶に無いという。
皆その様子を見てたから、そんな筈はない。
その後、何度かあの日の話を問い詰めても、「覚えてない。」しか言わない。
一体何を見たんだよ。