いわくつきではないですが・・・。
ある小学校に、体の弱い男の子がいたそうです。
その子ももう六年生。
今年が最後の運動会です。
少年は、今まで一度も運動会に出たことがありませんでした。
もちろん、今年も出られそうにありません。
しかし、本人の強い要望と、今年で最後ということもあって親には内緒で運動会に出場させることにしました。
当日、少年は100m走に出場しました。
とうとう少年の番です。
体の弱い少年は、速く走れるわけもなく、身体を引きずりながらも、最下位になりながらも一生懸命走りつづけました。
他の生徒もその姿に感動し、拍手をして少年を励ましました。
少年は、ゴールと同時にその場に倒れ、帰らぬ人となりました。
少年がゴールした瞬間を、写真やさんが写真に収めていました。
家族がその写真を見たがっても、「見ない方がいいです。」の一点張りで、決して見せてくれようとはしません。
しかし家族が何度も何度も頼み込むと、なんとか写真屋さんは見せてくれました。
その写真には、ゴールテープを切り、倒れる瞬間の少年の姿が収められていました。
その後ろでは、生徒達が拍手をして応援している姿が写されてていましたが・・・生徒達の手が拍手ではなく、丁度合掌をするような手になっていたそうです・・・。