中学生の時だからもう30年ぐらい前の話。
地元でも『人里離れた』って表現がピッタリの山の中に集落があって、そこに同級生が住んでた。
ある日、友達数人とそいつの家に遊びに行ったんだけど、帰りの時間を考えずに遊んでいたら辺りは真っ暗。
帰る道は今は舗装されてるけど、当時は砂利道で、正に森の中を帰らなきゃならないような所だった。
一人なら絶対帰れないぐらいの真っ暗な山道。
その時は数人だったから、話ながら自転車こいだり押したりしながら家路を急いだ。
明かりは自転車のライトのみ。
で、ずっと真っ暗な山道を帰ってたんだけど、途中でライトの照らす先に白い布みたいな物が見えた。
ちょうど道の真ん中に旗が上から垂らされてるみたいに。
ライトの照らす範囲がまだ布(?)の下の部分だけだったから、『何だあれ?』って思いながら見てた。
布(?)はずっと道の真ん中にあったから、俺達が進めば布(?)の下の部分だけじゃなく全部を照らす。
『もう少し進めば全部見えるなぁ・・・』と思ってたら、ソイツはライトの光を避けるみたいにして、『すうーっ・・・』と、上昇して見えなくなってしまった。
俺はもうビックリして『今の何だ!』って周りの友達に言いたかったけど、まだ真っ暗な山道の途中だったし、みんなで騒げばますます恐いって思ったから黙ってた。
周りの友達は気付いて居なかった。
で、やっと舗装されてる県道に出たんだけど、それぞれが家路を急いでたんでその時は言いそびれ、翌日学校で言ってみたら皆気付いて無かったとのコト。
友達の親父の話では、その辺りはタヌキが化かす等の話はけっこうあるみたいだが、あれは一体何だったのか・・・。
ホントに道の真ん中に白い旗みたいなモンが鎮座してて、すうーっ・・・と夜空に上昇して行ったんだが・・・俺は幻覚を見たのか?
それとも一反木綿だったのだろうか?
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余り恐くは無い話でしたが、自分が経験した唯一の山での不思議な体験談です。