俺の目の前にいやがった

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

俺が体験した話。

お前ら「婆よ去れ」って話知ってるか?
「ババサレ」じゃねーぞ言っとくが。
まあ話というより噂なんだが、よく閉め切ってある扉を開けることあるよな?
たまにその先に見知らぬ婆が立っていてその姿を見た者は何処かへ連れて行かれるっていうまあよくあるオカルト話だ。
俺が小学校の頃あった怪談の本に書かれてたんだが、それが一時期ブームになった。

俺達はよくその話を立ち入り禁止の場所にあった小屋(俺達は秘密基地と呼んでいた)でいろんな奴に話してた。

その日もいつもみたいに話してたんだ。
たぶん5,6人くらいいたと思う。
その話以外にもいろんな話をして気が付いたら夕方になっていた。

で、もう帰ろうかという話になって俺が先頭で出ようとした。
その小屋には扉はちゃんと付いてたからその閉め切っていた扉を開けた。

そしたら、いた。
全く知らない婆が・・・。

ご丁寧に鎌まで持って・・・。
俺のすぐ目の前に。

俺以外絶叫。
俺失神寸前。

頭の中真っ白だった。
そしたら突然その婆が俺の髪掴んで俺のこと引き摺りだしたのよ。

どんくらい引き摺られたのかは分からない。
でも少なくとも立ち入り禁止区域は出ていたからかなりの距離引き摺られたんだと思う。

俺の服がボロボロになった頃、俺以外の奴らが呼んできた親達によって俺は救助された。
婆はそのまま走り去って捕まらなかった。

結局、どこぞの基地外の仕業ということでこの事件は片づけられた。
そして俺達は立ち入り禁止区域に入ったことでこっ酷く叱られた。

それ以来俺達はあの小屋には行かなかった。
行けなかった。
そして「婆よ去れ」の噂もその日を境にぱったりと聞かなくなった。

そして10年以上経った今でも俺は閉め切った扉を開けられない。

長文失礼しました。

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