10歳の夏休み、、母の実家に帰省し、近くの河原にみんなで遊びに行った。
当時は水がきれいで、川岸の岩を棒でたたけばエビが飛び出てくるし、淵に網を打てば鯉?がとれた。
そういう川遊びが普通にできたころの話。
浅瀬で遊んでいたら、後ろでどぷんどぷんと音がした。
振り向いてみても流れる川面しか見えない。
水メガネをつけて水中をのぞいてみたら、遠くの深いところになんか見えた。
なんか見えた??と思った途端、意識がなくなった。
何が見えたか?・・・。
そのあと考えても全く思い出せない。
その次の記憶は、川に流されながら岸辺のみんなが小さくなっていくのを見ている。
浮いているのが精一杯で、泳いでも流されていく、声が出ない。
小さくなっていくみんなの中から、誰かがこっちに振り向いた。
ひとりは父、もうひとりは母の弟。
父が川に飛び込むのが見えたが、そのあと自分は水中に吸い込まれた。
その時も、なんか見たことは覚えている。
その次の記憶は、叔父に腕を捕まれて引っ張り上げられたこと。
川が大きく曲がるところの深い淵で、おぼれた場所からは信じられないくらい離れている。
叔父は、川上に向かって走って対岸に渡ってから土手を伝って真っすぐ淵に走ったと。
その晩、父と叔父と3人でお風呂(五右衛門風呂)に入った。
なんか見た?って叔父に聞かれたので、「なんか見えたけど思い出されへん」と答えた。
すると「俺も子供の時にあそこでなんか見た、あそこでおぼれた」と叔父が言った。
叔父の法事が週末にあるので、久しぶりに思い出しました。