中学時代に林間学校、キャンプファイヤーも終わって各自の小屋に入って、就寝時間までの暇つぶしに怪談話になった。
その中のとある一人が「部活の先輩から聞いたんだけどさ」って切り出した話が面白かった。
夜ここの便所(外にある)に入ってると黄色い帽子に赤いセーターの男の子が後ろに立ってることがあって、そんな時怖がったり叫んだりすると連れてかれちゃうらしい。
そんな時は「よしおくんよしおくんおかえりなさい」と言うと、スーっと消えて助かる。
・・・って話。
正直信ぴょう性は無いにしろやっぱ怖いじゃん、現場にいるわけだし。
中学生くらいはそういうレベルで怖がれたもんだよな。
で、就寝時間になってしばらくすると友人がトイレに行きたいと言い出した。
迷うから付いてきてくれと。
怖がってるだけだろと思ったが俺も小便したいので付いてった。
用を足して外で友達を待ってると薄暗い月明かりの中ザザザと5~6歳くらいの子供っぽい大きさの人影が近づいてくる。
え、怖い、よしおくんか?
慄いた俺は友達をおいてすぐさま小屋に戻って布団被ると、妙に安心して友達のことも忘れいつの間にか寝てた。
翌朝、起きてきた友達に「先に戻ってゴメンな、実はさ・・・」と言いかけると「は?」って顔。
友達の話では用を足して外に出ると俺が居ないので仕方なく小屋を探し歩いてると、
いつの間にか横に俺らしきサイズの人物が寄り添って歩いていて彼を追い抜いた。
その人物を俺と思った友達はその人の後ろに付いてこの小屋に戻ってきたという。
友人が何を語りかけても一言も発せず、先導するように小屋に戻るので俺が怒ってるとばかり思ってたらしい。
友人に寄り添って無言で小屋に届けたのはこの世のものなのだろうかね。