二度と行けなくなった沼

カテゴリー「不思議体験」

自分が10歳の時の話。

自分と従兄弟(9歳男)と叔父さんとで、家から少し山中に入った沼になまず釣りに出かけたんだ。

自分はあんまり釣りには興味はなかったが、従兄弟(これは釣り好き)と叔父さんが教えてくれるというので出かけたんだ。

沼まではそんなに遠くもなく、20分ほどで着き、直ぐに釣りを始めて素人の自分も2匹ほど釣って「なんだ釣りもおもしろいなぁ」などど増長しながら続けていたが、なんだか自分の周りの草むらとかが不自然にガサガサ聞こえだした。

なにか兎か子犬ぐらいの大きさの物が走って回っている感じだ。
すると叔父が血相をかえて走ってきて「早く帰るぞ!」と言う。

自分はもっとやりたい!と言ったが、叔父があたふたと帰り支度をするので仕方なく帰った。

帰る途中も来る時とは叔父の様子が全然ちがい、いつもは冗談など言って陽気な人だが一言も喋らない。

そうする内に家に着いた。

それで叔父に「釣りも好調だったのに何で急に帰ってきたの?」と尋ねると、「おまえの周りを、ラグビーボールぐらいの黒い得体の知れない物がぐるぐる回りだしたのが見えたんで、それで引き上げたんだ。お前は見ていないのか?」と言われた。

そして「もうあそこでは釣りはしないほうがいいな」と言って、二度とその沼に行くことはなかった。

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