子供の頃、自転車に乗って移動するのが主だった時の話な。
空き缶とか雪の塊とかとにかく色々踏み潰して行くのが好きだったんだよ。
ある日の帰り道も同じ横に障害物を見つけては踏みながら走ってたら、茶色い紙袋が歩道に落ちてるのが見えて、それ目掛けて直進して踏みつぶした瞬間に「痛いっ」って女の人の声がした。
周り見渡しても誰もいないし、その時は気のせいか・・くらいで気にせずに帰った。
何日かしてまた同じ道を自転車で帰る時もこないだと同じ紙袋が落ちていたから、勢いよく自転車で通過したら「い、た、い」って、今度は一言一言をはっきり喋ってるような感じで聞こえた。
周りはやっぱり誰もいないし、明らかに紙袋の中から聞こえてた。
不思議と怖くなかったけど、今思うと紙袋の中開けてみとけば良かったかなと少し思ってる。
それ以降同じ道に紙袋は見かけませんでした。