私が小学生の頃体験した話。
私の地区では小学5年生の男子というのが自分しかいなかったらしく、地区での集まりの『小学五年生の日』みたいな集まりでは女子5人、男子は自分一人だけという肩身の狭い思いをしていました。
本当は他に二人いたんだけど、一人は絶対参加しない、もう一人は昨年引っ越してしまった。
夏祭りの太鼓の練習というか太鼓担当は当然自分になるし、その日は古びた公民館にお泊りだった。
泊まる人数の構成。
・面倒みてくれるおばちゃん3人
・女子4人(一人病欠?)
・自分
・・・てな感じでした。
太鼓の練習も終わり、時計も夜9時になって寝る部屋が割り当てられた。
女子4人は洋室、自分は少し狭い和室だった。
布団があって、足を置く方向のずっと先には背の高い押入れがあった。
おばちゃん三人は、すぐ近くに家があるので、そこで寝泊りすると言っていた。
まあ、クーラーなんてものもないし、大き目の古びた扇風機も最初は和室にあったのだけど、女子に「男子は一人なんだし、人数の多い方が必要だよね」と、強引にもってかれてしまった。
しかし、不思議とその日というか、和室は暑くなかったので布団に入ってすぐ眠ってしまった。
「・・・・ねぇ・・」
しばらくたって突然目が覚めた。
というのもボソボソと女子二人組みの話声が洋室の方から聞こえてきたからだ。
女子A:「ねぇ、あの子まだ起きているかなぁ」
女子B:「きっと起きているよ」
女子A:「遊びにいってみようか」
女子B:「うん、そうしよう」
こういう会話の内容が聞こえてきたために、興奮して目が完全に覚めてしまった。
寝たふりをして女子二人の様子を伺う事にしようとしていたら、「ドスン、ガリガリガリガリ、ギシギシギシ」と、大き目の物音がしてきた。
だいたい何をしているのか予想が出来た。
どうやら洋室にあった押入れに立付けの悪く開きが悪いふすまを強引に明けて中に入っているらしい、そして、物音は天井へ・・・・。
「ズッズッズッ・・・・・ズリズリズリ」
女子A:「もうちょっとね」
女子B:「うん、もうちょっと・・」
女子AB:「くすくすくすくす」
やたら声が響いてくる。
どうやら天井裏から四つん這いになって自分の部屋に来るらしい。
物音が自分のいる和室の押入れまで来た。
自分はもう寝たふりをやめていた。
布団から起き上がりこれから女子二人組みを待つ事にしていた。
押入れの戸は引き戸ではなくドア状に開くようになっており、少しづつ開いていった。
女の子の顔が一つ天井部分から逆さまにニュッと出てきた。
普通にかわいい顔していた。
そのまま少しづつ体を下げてへその辺りまで来た時、スカートだったらパンツ丸見えになってしまうだろうとアホな淡い期待を抱いていた。
が、そんなものは一気に吹っ飛んでしまった。
その理由はもう一人の女の子が現れたからだ。
もちろん、ただ出てきたわけではない。
逆さまになった女の子の胴体から先はそのままもう一人の女の子になっていたからだ。
わかりやすく言えばテケテケが胴体同士でくっついている様な感じだ。
下の部分の女の子は手を押入れの上部分の床板に手を着いていて、上の部分の女の子はぶら下がっていた・・・。
上の部分の女の子はひどかった。
別に凄いブスというわけではなく、全身青白く、抜け落ちたような長い髪、顔は黒ずんで目も血走っていた。
とても生きているとは思えないような有様だ。
気がつけば体がピクリとも動かない。
まぶたも閉じられないせいか。
この二人一組を凝視しつづけていた。
そして、下の部分の女の子が横の土壁を。
上の女の子が天井の飛び出ている箇所を掴んでゆっくりこっちに向かって来ていた。
「ズッズッズッズッズッズッズッ」
AB:「くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす」
自分のすぐ斜め上まで来た途端、下の女の子は自分の左肩を掴み、上の女の子は自分の右肩を掴み、自分の視界が二人分の女の子の顔で一杯になった所で気絶して朝を迎えました。
朝、鏡をみたら右顎と左顎に一つづつ噛み跡がついてた。
この公民館では結構不思議な体験をしている。