今から5年ほど前、まだ地元にいた頃のお話です。
地元は田舎でコンビニも遠く田畑山川海が周りにある場所でした。
当時、猫を飼っていてその猫はまるで犬のようになつっこく、よく私の肩に乗って散歩していました。
その日は約束があったので近くにある親友の家まで親友を迎えに行きました。
その時猫も肩に乗ってきたので一緒でした。
それから私の家に行くことになりました。
途中少し大きな坂があるのですが、そこを登ると近道になるので、話しながら坂を登ろうとした時肩に乗っていた猫がいつもと違う変な声で鳴き始めました。
私と親友はその時にゾッとしていたのですが、お互いふざけ合って気を紛らわしながらまた歩き始めました。
すると私の携帯に非通知で電話がかかってきて、気味が悪いと思いつつ出ると無言でした。
何度か「もしもし?」と言っても応答なしなので電話を切りました。
そして着信履歴を確認したら今かかってきた非通知の履歴が無くて鳥肌が立ち。
電話がかかってきたのは夢か幻かと思い、親友に確認したところ、夢じゃない私も聞いていたと言われ毛穴がぶわっと開いたような感覚になり、葉の揺れる音や影に咲いた山百合が視界に入ったとき不気味に感じ、すごく怖くなり走って坂を登りきったことがあります。
その場を駆け抜けるまでずっと猫が肩にがっしりと捕まりいつも聞いたことのない声で鳴いていたのは、なにか気づいていたからなのかなと思いました夏のお話です。