結構最近の話。
オイラは病院勤務。
と言っても医師ではなくて、介護士。
この病院は職員専用のエレベーターがあって、電子キー(スイカみたいなやつ)を当てないと作動しない。
この職員専用のエレベーターは地下1F2Fがある。
オイラの電子キーは地下のボタンを押してもウンともスンともいいません。
地下は何があるかと言うと、霊安室。
医師や看護師じゃないと行けない様になってるんです。
ある日の夜勤中、その日はとてもヒマだった。
それで色んな机とか引き出しを漁ってみたら、マスターの電子キーを発見。
オイラはその時、いたずら心に火がついてしまった。
「地下に行ってみたい、霊安室を見てみたい」
ドキドキしながら、マスターキーを当てて、B2Fのボタンを押してみる。
あっけなくボタンが点灯。
・・・かなりいけない事をしている、誰かとすれ違ったらどうしよう・・・「ボタンを押してみたら反応しちゃったんです」とか言い訳ばっかり考えつつB2Fへ到着。
思ったより明るい。
壁に目をやると矢印で「死体安置所」と案内がある。
そうか、家族とかのためのものなのかな・・・とか思いつつ矢印の方向へ。
もう心臓がバクバク。
でも好奇心を抑えきれずに霊安室前へ。部屋は3つあった。
そのうちのひとつから老婆と思われる声で「ナンミョウホウレンゲキョウ・・・」とお経を読む声が。
こりゃオイラは場違いもいいとこだなと、ここで撤収。
誰とも合わずにすんだ。
後日、オイラがマスターキーを使った事、霊安室に行った事、全てばれてた。
エレベーターは何時何分に使用したか、全て履歴に残ってしまうのだ。
さらにカメラもある。
こっぴどく怒られた後「まぁ今回は誰も霊安室にいなかったからいいものを」と言われた。
「え?確かに老婆のお経を読む声が聞こえたんですけど?」と言ったら「そんなはずはない、この日は夜間通して誰も出入りしてないから、お前さんがいい加減な気持ちで行くから罰が当たったんだろう」って。